そして青空は永遠に晴れたまま。

奇跡の2.5次元役者・浜尾京介の芸能活動復帰をのんびり待機中。

100406


映画タクミくんプチコラムその9。

“BL脳で読み解く映画『虹色の硝子』” 後編。




深夜からのアメブロメンテに阻まれたせいで

朝からこんな内容の記事更新で申し訳ありません(;´Д`)

ちなみにすべて書き上がった現在はAM5:00です。

もう庭で鳥がピチュピチュ鳴いている……るーるーるー


いやーしかしこの一週間で虹色本編を何回見たんだろうか私w


尚、こちらの記事は続きとなっております。→ 前編 / 中編

必ず前記事をお読みになってからごらんくださいませ。

※後編もやっぱり下世話なネタとなりました。ご注意!!!!




健志の退学から二日後。健志のお見舞いに行く託生とギイ。
ギイが自分から森田に心変わりしたのではないかという託生の不安は
ハロウィンパーティーの日に交わしたキスで一応解消されましたが
(いや、正確にはそのあと二人でちゃんとお話したからなんですけどもw)
まだ少し、託生のなかに引っ掛かっている部分があるようです。
強引なキスで託生の誤解を解くまでは謎の単独行動が多かったギイ。
序盤は託生が一人残される場面も多かったですし、二人でいるシーンでも
託生とギイのあいだには距離がありました。心の距離を表しているようです。
接触すらほとんど無かった、というのはこのコラム前編でも触れています。
ギイの心が離れていないことを確かめて、そして健志の真実を知ったのち、
ようやく二人で一緒に行動するようになったものの、二人で歩いていても
まだ若干距離があるんですよね。この日、お見舞いに行く道すがらも、
並んで歩いているようで、実際は託生がギイの半歩後ろをついていく感じ。
まあ、祠堂の外ですからおおっぴらにイチャイチャも出来ないでしょうけどw


託生のなかのわだかまりがはっきりするのが、健志の病室での会話です。
健志が教室での託生とギイの公然キスの話を振ると、浮かない声と表情で
「ごめん、その話はもうやめよう」と俯く託生。なのにギイときたら心底意外
そうな顔で「お前、まだ気にしてるのか?!」ですよ。こーのメンタルアメリカ人!!
「だって!もしあれが騒ぎになってたら…」 そう、心変わりの誤解は解けても
この件は押し倒されて誤魔化されたあの夜からずっと託生のなかにあって
納得していないんですよね。でもこれ以上ギイと話しても分かり合えないと
諦めている節のある託生は「てゆーか…いいよ、この話はもう」と、一方的に
終わらせようとする。そんな託生のモヤモヤを救ってくれたのが健志でした。


朴訥とした、それでも嘘の無い真っ直ぐな健志の言葉は、この一週間あまり
抱え込んでいた託生の気持ちを一緒に浄化してくれたに違いありません。
健志の言葉で流した託生の涙がその証拠。そうそう、ここの託生の涙ですが
新しくなったTV画面で見ると、浜尾の瞳に溜まった涙で目がうるうるキラキラ
揺らめいているんですね!! すごいよ浜尾おおお!!!! (今更でゴメンナサイw)
「鈴木くん…」と呟いて二度瞬きした次の瞬間、浜尾の左の小鼻あたりが
キラッと光っているのは、あれはもしかしたら零れ落ちた涙なんでしょうか?
コメンタリーで大ちゃんも言ってくれていましたが、浜尾が流した綺麗な涙、
本編映像にも収めてほしかったなあ〜。またまた余談ですがこのシーン、
今回の記事のために何度も見直していて、うっかりこちらまでもらい泣きして
しまいました。バッシーのもつどこか不器用そうな雰囲気が、健志の脆さと
強さに上手くハマって、その素朴な言葉が胸に沁みる名場面ですよね!!


お見舞いを終えて帰ろうとする託生とギイの距離は、行き道よりも近づいた
ように見えます。やわらかくて穏やかな空気です。けれども見舞いに来た
森田を発見したことで、再びギイの心が健志を優先してしまうんですね。
帰ろうとうながす託生の腕をギイが冷たく振り切ったことでよくわかります。
託生は、両想いなんだから森田を健志に会わせてあげたいと思うのに、
ギイは健志に森田への未練を残して逝かせるような残酷なことはしたくない
だから二人の逢瀬を阻もうとするわけです。このスタンスの違いはどちらに
思い入れているかの違いでしょうか。託生は森田の立場でシンクロしたし、
ギイは友人として見守り続けた健志のことを最期まで大事にしてやりたい。
結局、森田が健志に会わずに帰ったことで、託生とギイの双方とも肩透かし
と言うか、どうして?と釈然としない気持ちだけが残ったのかもしれません。


そんなすっきりとしない帰り道、砂浜で並んで座り海を眺めている二人。
託生の質問を、ギイはのらりくらりと曖昧にはぐらかすばかりです。
森田のとった行動はギイにとっても思いがけないイレギュラーだったでしょう。
会わない方がいい、知らないままの方がいい。でも本当にそれでいいのか?
もう長くはないと宣告された健志にとって、森田をどう扱うことが一番なのか。
ギイのなかにも混乱と迷いが生じていたことはあとでわかるのですが。



健志を見舞い、森田の姿を見送ったその日の夜。
灯りを消してお互いそれぞれのベッド入ったものの二人とも眠れません。
ギイが背中を向けている託生に「寝たか?」と声を掛けます。
ギイの方に向き直った託生はいろいろ考えて眠れないと答えると、
それを聞いたギイは託生にゆっくりと視線を投げかけて、じっと見つめてから、


「……こっちに来るか?」


ここからの大ちゃんギイと浜尾託生の無言での見つめ合い!!!! (*゚∀゚)=3ハァハァ
見ているこちらまで生唾を呑み込んでしまいそうな、それぐらい凄い場面!!!!
ある意味その後のラブシーンよりも緊迫した見応えがあると言いましょうか。
(……いや、そりゃこの先のラブシーンは見応え満点ですけれどもw)
まず「こっちに来るか?」と言うまでじっとり見つめる大ちゃんギイのあの目!!!!
すごい目で託生を誘いますよね。視線で口説くというか、どこか濡れたような
あんな色っぽい目をして、「お前を抱きたい」って訴えてるようなもんですよ。
大好きな相手にあんなに熱っぽく見つめられたらもう好きにして〜ってなるわw


勿論託生もギイのその言葉が意味しているところはすぐわかってますよね。
ただ単に一緒に寝るだけじゃないってこと、絶対わかってる。浜尾託生がね、
言われた瞬間にそういう表情になるのがこれまたたまらんワケです!!!! (≧∀≦)
無言で見つめ合う託生とギイのあいだで交わされた一瞬のせめぎ合い、
それだけで、見つめ合う二人の表情で、彼らの関係はやはり友人などでは
無く、身も心も幾度も重ね合った恋人という深い間柄なんだと伝わってくる。
この絵面の説得力がすごいよなあって、この場面を見るたびに思います。
託生だってあの夜以来のギイの誘いです。うれしくないはずが無いですよね。
わずかに逡巡したものの託生は意を決したように起き上がり、ギイの元へ。
ギイのベッドに潜り込んで、ごくごく自然にギイの腕枕に収まる託生という
この一連の動作も、役者二人とも迷いとか照れとか無くて本当に素晴らしい!!!!
個人的にはギイの腕の位置に合うように少し下がる託生の動作がツボ(*´Д`)


「ひさしぶりだな、こうやって寝るの」

本当ですよ。何日ぶりだと思ってるの。託生のことをいろんな意味で
放置していたという自覚があるんでしょうね。ちなみに原作では、
託生とギイの気持ちがすれ違った(その理由は映画とは全然違いますが)
次の日の晩にはとっととセックスして仲直りしていますから。早っっ!!!! www
映画版のギイは原作よりもかなりストイックなのかもしれませんねw
昼間海辺でギイに誤魔化された健志と森田のことが気になる託生は、
ギイの腕の中に収まってもまだ質問を投げかけます。
その言葉を遮るようにして、託生の上に覆い被さってくるギイ。
「ちょっと待ってよ、ギイ」 今度こそギイに誤魔化されまいと
託生はのし掛かってきたギイを押し退けて身を起こします。
ベッドに入っておいて拒絶する託生に「嫌なのか?」とギイ。まあそうだよね。
この状況で今更拒むのかよ?! って焦れったくはなりますね確かにね(;´Д`)


「ごめん。今夜はそう言う気分になれないんだ」

これは、託生の本心では無いと私は思うのですがどうでしょうか。
託生はギイの誘いに応えた時点でもう抱かれるつもりでベッドに入ってると
思うんですよ。でも、いくら好きでもホイホイと身体を開くのでは無く、
一度は拒んでみるのがここまで二週間以上おあずけで放置された
恋人としてのプライドみたいなものかな、と思ったりw
でも、そんな託生のプライドは、再度強引にベッドに押し倒され組み敷かれて
ギイに懇願され抱き締められ求められて、あっさりと崩れ去るんですね。


「頼む託生。でないと眠れそうにないんだ。俺を疲れさせてくれよ!!」
「へとへとになってなにも考えず眠ってしまいたいんだ!!」
「……神経ばかりが冴えて…このままじゃ俺…っ!!」


まあなんというか、コレ、このギイの台詞、結構酷い言い様だと思います。
要約すると、「手っ取り早く疲れて眠りたいから抱かせてくれ」ですよ?
託生が欲しいからじゃなくて、託生を愛したいからでもなくて、自分のため。
ものすごくエゴイスティックで一方的な要求ですよね。へとへとに疲れたい
なら寮の外でも好きなだけ走ってこいやー!! と毎回言いたくなります(;´ω`)
でも託生は、ギイが伸ばした手をもうはね除けたりしないんですよね。
こんなにも打ちひしがれ弱ったギイの姿は託生もはじめてだったでしょうし
おそらくは託生以外、他の誰も知ることのないギイの赤裸々な姿でしょう。
愛する相手がここまでみっともない姿を晒け出して、縋られて求められて、
自分がこの身を与える以外にギイの苦しみを癒すことは出来ないとしたら
……その状況に昏い悦びを感じるのではないかと思うのは穿ちすぎ?w


それはさておき、身体を求められることで確かな愛情を感じる託生です。
こんなにも生々しい直情をぶつけられたら、もう拒む理由は無いはず。
駄々っ子のように求めてくるギイの背にそっと腕を回して。その熱を身体ごと
抱き締めて、身のうちに受け入れるのは託生にとってこの上ない悦びです。
でも最初、託生は結構冷静なんですよね。
はじまりのキスのときも、少し醒めたような表情で、夢中で愛撫するギイに
されるがまま身を委ねていても一方で大きな幼子をあやしているような、
母性を感じさせる表情にも見えてくるんです。
昭和な話でアレですが、『聖母たちのララバイ』ってヒットした歌が
昔ありましてね。「さあ、眠りなさい疲れ切った身体をなげだして…」で
始まる、まさにあの歌詞のとおりではないかと思ったり。
……実際は浜尾の不慣れなラブシーン演技が硬かっただけかもしれないんですが(;´∀`)


それでも、やっぱりこの夜って本当に特殊で、二人がお互いを欲しい、愛おしいと
思って抱き合うんじゃなく、傷ついたギイの心を癒すのに必要だったセックスだから
綺麗でうっとりするけど、でもどこかせつないラブシーンに仕上がっていると
私は思うんです。(その分、託生とギイがお互いに心の底から求め合い
愛し合うラブシーンは『美貌のディテイル』で存分に堪能出来ますからねv)
下世話な視点だと、冷静だった託生が、激しくなるギイにどんどん流されて
感じて色っぽい顔になっていって最後には自分から欲しがりねだっちゃうって
のがホントもうなんちゅーか……いろいろたまらんのですけど(*´Д`) 自重w


こうしてギイに求められ身体を繋げたことで、託生はギイの揺るぎない愛情を
身をもって確認し、この作品中ではじめて満たされた穏やかな表情を見せるんですね。
託生とギイの物理的な距離もあからさまにめちゃくちゃ近い。
歩いていても肩が触れたり触れなかったりの近さで、図書室で本を読んでいるとき
なんてなんだアレ?! ってなぐらいベッタリくっついてます(*´Д`)
公然ちゅーであれだけわーわー言ってたくせに、公共の図書室でイチャイチャ
すんなけしからん!! いや、もっとしろw そしてギイに寄り添って笑う
浜尾託生の表情といったらっ!!!!そりゃタッキーも「可愛いというよりは、
本当に愛おしく思っちゃう」って思わず口に出して言っちゃうよねっ(≧∀≦)


欲を言えばこのシーンのラスト、
ギイのベッドで二人が一緒に寝てくれてたら(服は着ててOK)
もう本気でパーフェクト!!!! (≧∀≦) …だったんですがw




ということで、前・中・後編とここまでグダグダと語って参りました
託生とギイの心情をメインに追いつつ下世話に読み解く映画『虹色の硝子』
どこまでを制作側が狙って作っていたのか、ファンが知る術はありませんが、
それが狙いであれ偶然の産物であれ、見ようによっていろいろと深読み出来る
作品であることに違いありません。現に私も映画館で観て、DVDの発売以後も
何百回と繰り返し見てきたつもりでも、新たに発見出来ることがあるんだなあ
というのが今回の記事を書いていて驚きであり喜びであり萌えでした。


こりゃあ『美貌のディテイル』のDVDが発売された暁にはどうなっちゃうんだw
今度はどんな新たな発見が待っているんでしょうね。ワクワクです(≧∀≦)