そして青空は永遠に晴れたまま。

奇跡の2.5次元役者・浜尾京介の芸能活動復帰をのんびり待機中。

100615


【美貌のディテイルDVD発売まであと1日!! ヽ(゚∀゚)】




映画タクミくんプチコラムその11。

“鉄板だった虹色から挑戦の美貌へ” 後編。




前記事からの続きになりますので、

先に 前編 をお読みくださいますようお願いいたします。

まだしばらく虹色の話が続きますが、

最終的には美貌まで辿り着きますのでどうぞおつきあいくださいw



私の友人周辺の事例なのですが、虹色を観たひとのうち

3/4は鈴木と森田の純愛の結末に素直に感動し、

残りの1/4が託生とギイに萌えたという統計結果があります。

ちなみにいずれも原作を読んだことが無かったというケースです。

実際にはもう少し拮抗しているんじゃないかと思うんですが、

半々…うーん、四分六?少なくとも4割程度は虹色の託生とギイから

えも言われぬ不思議な魅力を感じ取ったのではないかと思います。


少し余談になりますが、私の場合、虹色を観る前の状況としましては

テニミュは好きだったけれど他校ファンで青学にはまったく興味が無く、

当然四代目も顔と名前が一致するかどうかアヤシイぐらいの認識。

タクミくん原作とはルビー文庫創刊当時からのお付き合いとはいえ、

二度目の三行半を一方的に突きつけたあとは5年程断絶状態。

実写映画化に関しては、第一弾から完全にあり得ないと断固拒否で、

第二弾公開が決まったときに新キャストについて情報を得ていましたが

主に大ちゃんのギイに対してかなり辛辣に酷評していました(;´ω`)ゴメン


それを180度覆したのが虹色の予告編。アレを見て

「…あれれ?ちょっと、コレ、有りなんじゃないの?」となった方は

意外と多いのではないでしょうか。…というか、ぶっちゃけますと

ここまでやるか?! Σ(゚Д゚) な託生とギイのラブシーンの衝撃ですよねw

春風の託生とギイによる偽キッスや白飛ばし不思議空間ベッドシーンに

「ふざけてんのかあああ腐女子舐めんな!!!!」と座布団ぶん投げたひとも

虹色の本気のアレやコレやにはおそらく度肝を抜かれたはずです。


そして虹色本編は…予告以上に本気だった。

物語を動かしていたのは、鈴木と森田の秘められた純愛とそれに絡んだ

ギイたちとの友情だったかもしれませんが、どれだけキャストが口を揃えて

友情友情と謳おうと、タクミくんシリーズはあくまでもボーイズラブなんです。

そのBL要素を文字通り身体を張って演じてみせたのが託生とギイでした。

そんな二人の姿に魅せられた4割(もっといる?)の一人が、私ですw



虹色の東京での劇場公開は2009年5月末まで。(大阪は7月半ばまで)

去年8月のごとう先生日記で一年前のこの頃に虹色の制作が始まったと

書かれていたので、そこから逆算すると美貌の制作開始は昨年7月ぐらい?

企画自体はもっと前からになりますので、第三弾の製作決定がどれだけ

早かったのか、ここからも推測することが出来ます。


シリーズ三作目に虹色スタッフが選んだ題材は『美貌のディテイル』

当初二年生のあいだだけで完結させるつもりだった原作を仕切り直して

新たに始まった三年生編最初のエピソードで、初心に還ると言いますか

ひさびさに託生とギイの恋愛模様ががっつりとお話の中心になっています。

前作虹色では万全の体制で勝負に出た制作陣。どれだけ鉄板だったかは

前記事でも触れましたが、メインカプ以外に感情移入しやすいサブキャラを

動かすことで、「そっち(メイン)が駄目でもこっち(サブ)ならどう?」という

逃げ道を用意しておいたワケです。…逃げ道って言葉が悪いけど(;´ω`)

その狙いは非常に上手く作用し、虹色は実写BLの名作に躍り出ました。


けれども虹色スタッフ、美貌には逃げ道を用意してきませんでした。

新しいサブキャラクターたちは今作でも勿論原作通りに登場しています。

三洲と真行寺はサブキャラのなかでも特に人気が高いカップルであり、

映画におけるオリジナル展開のやりようによっては彼らの恋愛を “逃げ道”

として用意し、前回同様に保険を掛けておくことは出来たと思うんですよね。


ところが。いざ、作品の蓋を開けてみれば、

三洲にしろ真行寺にしろ、赤池や片倉や野沢に至るまで、託生とギイ絡み

以外の要素(サブキャラの恋愛事情など)はごっそり削ぎ落としてきました。

そう、オリジナル展開で加えられていたのは託生とギイに関する部分ばかり。

託生とギイについては、一年生と二年生の回想シーンまでわざわざ挿入して

浜尾と大ちゃんが演じていなかった第一弾春風の劇中シーンまで今作では

彼らの託生とギイに用意してくれたのです。これについては美貌の試写会で

監督自ら「二人が演じるギイと託生に過去のヒストリーを構築させたかった」

からだと語ってくれました。そこまで徹底して浜尾と大ちゃんで託生とギイの

恋物語をがっつり描こうとした…これは、ものすごい挑戦だと思いませんか?



前記事で美貌について、「前知識無く一つの完結したお話として観るには

やや難のある作品」だと書きました。それは、原作を読んでいない状態で

観たとしても、託生とギイの回想に込められた想いや意味を100%は理解

出来ないと思ったからです。託生の嫌悪症にまつわる回想や音楽堂での

託生とギイのクライマックスは、原作の春風〜JunePrideを読んでいないと

きっと味わい尽くせない。今作は原作未読者を置き去りにして篩い落として

いる感はどうしても否めません。映画としても続編なのだから、これまでの

お話は予習必須!! かもしれませんが、これが残念なことに実写第一弾の

春風は今作にとっては予習にならないのですよね(;´ω`) と言うのも今作

では、春風と同じ場面でもまったく意味合いの違うシーンに仕上げてきて

浜尾託生と大ちゃんギイのヒストリーとして塗り替えてしまったワケです。

これだって、よく考えなくてもかなり挑戦的、ですよねw



美貌は、虹色のようなどんでん返しや意表を突いた展開はありません。

約束の場所・音楽堂を目指してひたすら一本道なストーリーです。

原作ではギイの真意が判明するまで疑ったりヤキモキしたりしますが、

映画では、最初にギイが託生を拒絶した廊下での邂逅シーン直後から

これはギイの本意では無いという種明かしが視聴者にはされています。

今作を『ボレロ』に例えたごとう先生はいやーさすがですよね。

最後のクライマックスまで同じフレーズが繰り返される『ボレロ』を単調で

退屈と感じるか、徐々に盛り上がっていくドキドキがたまらないと感じるか。

美貌を前作の虹色より上とするか下とするかの評価の分かれ目は、

このあたりなのではないかと思っています。あとはクライマックスからの

ラブシーンの濃厚さを是と取るか非と取るか、ですかねw


とにかく託生とギイのラブストーリーを核に終始物語を貫いてくれた

その潔い挑戦に私は心からスタンディングオベーションです。

20年近い腐女子人生でここまで夢中になったのは初めてと言ってもいい

くらいの萌えをいただきました。美貌に出逢えて私の人生幸せだー!!!!


そんな『美貌のディテイル』は遂に明日、DVD発売となります。

コメンタリーでは横井監督からいろんなお話が聞けると思うので、

私の考察も当たったり外れたりとんでもなかったりするんでしょうねw






最後にもう一度言います。

さあ、皆さん、準備はいいですか?(≧∀≦)