そして青空は永遠に晴れたまま。

奇跡の2.5次元役者・浜尾京介の芸能活動復帰をのんびり待機中。

111221


※引き続き、感謝祭DVDの内容ネタバレしてます注意!!











浜尾託生&大ちゃんギイによる朗読劇風「そして春風にささやいて」の語りかけがとにかく凄いということは昨日の感想記事でもお伝えしましたが、今回のDVD『祠堂学院からの贈り物』最大のみどころだと断言してもいいです。


この語りかけ、春風と謳いつつも「若きギイくんへの悩み」に「裸足のワルツ」の一部も挿入された映画版春風準拠バージョンになっているので、原作春風以降の時間軸で想いが通じ合って恋人同士になったとはいえ、誰にも明かせない自分の秘密をギイに知られてしまうことを酷く恐れる託生の、心象風景でのモノローグが挟まれるんですね。そうやって悩み苦しむ託生の姿を今回映像化したことで、映画版美貌の春風回想と映画版青空のジュンプラ回想のあいだにあった空白部分が実に上手く繋がるように作ってきているワケですよ!! いよいよ発売まで1ヶ月を切った『あの、晴れた青空』その特典映像がジュンプラディレクターズカットであることを思えばこのタイミングでの空白を繋ぐ託生のモノローグ補完、なんて粋な計らいなんでしょう!!!!


ちなみに脚本は映画版春風とほぼ同じ台詞のまま今回の語りかけでも使っているので、役者の演技とカメラの撮り方、演出の取り組み方でこうもまったく別物に仕上がるのか、と、しみじみ感動しますね。いや、もうこれまで何度も繰り返し言ってきたことですけど横井監督がスゲェわ。そして監督にここまで春風にこだわらせた彼らの存在も凄い。



美貌回想もそうだったけどあくまでも映画版春風準拠なのは製作権利関係の問題でもあるのかな? 原作との細かい矛盾は改訂せずに映画版のまま浜尾託生&大ちゃんギイで焼き直してるから、こりゃもう嫌でも第一弾の春風と比較しちゃうわ。


ひとつダウト的な意味で気になったのは、託生が言った「ぼくなんかより高林くんの方がきれいな顔してるし背も高いし人気もあるし」という台詞の「背も高いし」、ね。これ、映画版春風にも原作にも無い台詞なんですよね。こんな余計な形容を何故敢えて今回入れてきたのか、初見時からこの点が引っ掛かって仕方無かったんだけど、うん、わかりましたよ。横井版春風での高林役は細貝君想定なんだってことですね(笑)。だって浜尾託生よりも背の高い高林って細貝君だけだし。というのは冗談にしてもいや、これなんでわざわざ背が高いとか言わせちゃったんだろ? 謎です。



それとこの春風語りかけにはですね、なんと滝口先輩の赤池がほんのすこしですけど登場するんです。うれしいサプライズ!! これぞまさしく友情出演ってヤツですね。託生とギイの語りかけに赤池がちゃんと存在している……彼が、浜尾託生と大ちゃんギイのあいだにはタッキー赤池が必要不可欠なバランサーなんだってこと、作り手側がちゃんとわかってくれているんだなとあらためて実感出来て、〝虹色トリオ〟のオリジナルワード発祥者だと手前味噌ながら自負する私としては本当にめちゃくちゃうれしかったです!! またタッキー先輩の演技がね、託生との短いやりとりなのにちゃんと二年生春の頃の距離感を醸し出してるのだ。心情面で完全にギイ寄りでの突き放し方なんですよ!! 虹色よりもジュンプラよりも気持ちが託生に無いの。ジュンプラでの赤池演技にも感心させられましたが、今回もまた思わず唸っちゃいました。ただタッキー先輩、このときの髪型が全然赤池じゃないので、パッと観たとき若干の違和感はあります(笑)。それぞれ髪型から大体の撮影時期も割り出せそうですね(面倒だからやらないけど)




彼らが演じた本当に最後のタクミくん作品が、結果としてシリーズ一番最初のエピソード、大事な大事な二人のはじまりのお話になった。こういう変則的な形でも彼らの託生とギイで「そして春風にささやいて」を形ある映像作品として半永久的に残してくれた…なんという、物凄い贅沢!!!!


まさにこれこそが、映画版タクミくんシリーズからの、最後にして最高の贈り物だったんだ、と、私は思うのです。