そして青空は永遠に晴れたまま。

奇跡の2.5次元役者・浜尾京介の芸能活動復帰をのんびり待機中。

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ギリギリだけどなんとか間に合ったぜ〜



てコトで、以前に言っていた横井監督の過去作品を観られるだけ観てみよう、というお勉強企画ですが、とりあえず現在TSUTAYAで借りられるものは全部観終わりましたっ!!(バイオレンス系は苦手なのでちょっとパスしました)『ドロップ』『観察』『イヌゴエ』『イヌゴエ2』ときて、今回は残り3作品、こちらをまとめてすこしだけ感想を。



※かなりのネタバレを含みますのでご注意ください。
※若干の下ネタや性的な表現を含みます。







『飼育の部屋 終のすみか』 (2003年公開作品)


初期の監督作ですね。おそらく監督3本目、かな? 拉致監禁事件がテーマとなった『飼育の部屋』の続編。シリーズ1作目は別の方が監督を務められていましたが、2作目『終のすみか』から横井監督が手掛けられています。……おや、どこかで覚えのある展開だな(笑)。


拉致監禁モノというと……女性が観るのってかなりハードル高いですよね。ちょっと変質者っぽい男が若い女性を拉致って部屋に監禁して無理矢理強姦して自分好みの女に調教していき、これで俺の性奴隷完成、みたいな?(えー)とかく過剰にエロだったり暴力的だったりするんじゃないかと。でも、この作品、確かにエロ要素は濃いめだと思いますけど典型的な拉致監禁作品のイメージとは趣きが異なります。ちゃんとラブストーリーになってるんですよね。異質だけど。


この作品の主人公は、1作目の『飼育の部屋』で拉致監禁事件を犯し逮捕されていて、刑期を終え出所してきた今作再び別の女を監禁してしまうんです。駅の清掃員をしている男は、駅構内の清掃員詰め所に女を繋いで閉じ込めます。男の望みは彼女と一緒に暮らすこと。肉体的な繋がりを求めるのでは無く、手錠や足枷で繋がれて不自由となった女の世話をこまめにして、彼女を〝飼い始める〟のです。女は勿論、そんな男の望みをはいわかりましたと受け入れられるはずも無く、飼われながらも脱出のときを待ちます。なんとか女と話がしたい男が持ち込んだのは古いラジカセ。女はテープに男へ訊きたいことや言いたいことを録音し、男はそれを別の場所で聞く、という奇妙な日々を過ごすうち徐々に女の気持ちは変化してゆき、二人の関係は犯罪者と被害者から、とあるきっかけで身体を繋げてしまったことで、複雑で異常な愛情関係へと陥っていくのです。


いわゆる〝ストックホルム症候群〟ですよね。犯人と人質のあいだにある種の愛情が芽生えてしまうというこのテーマを扱った作品はこれまでにも多々あります。監禁モノ繋がりでは『完全なる飼育』シリーズが有名ですね。被害者である女が、犯罪者である男へ向ける己の感情が同情なのか愛情なのか、哀れみなのか慈しみなのか、はっきりしないあやふやななかで、ただ互いの肉体だけが悲しいぐらいリアルに存在するんですよね。男と女だけに。そういう意味で、劇中に3回あるラブシーンでは、時間経過によって男に抱かれる女の側の気持ちの変化がよく表れていた描かれ方だったと思います。決して綺麗には撮ってないです。なんかこう、ざらっとした感じ? 男も女も役者さんは華やかなタイプでは無いですし、そこがこう、かえって生々しい感じで肉体だけで愛を語るリアルに繋がっているような気がします。……と、真面目に言ってますが、最初の濡れ場で正常位から次に側位に移ったときはコーヒー噴きそうになったけど(爆笑)。やだなんか観たことあるかもこの角度、みたいな(オイ)


物語の結末は……犯罪者と被害者の恋愛にハッピーエンドなどあり得ません。どういう終わりを迎えるのか、よかったら目撃してみてください。私は、こういうお話嫌いじゃないです。そして女は強く、強かだ。




『飼育の部屋 連鎖する種』 (2004年公開作品)


飼育の部屋 終のすみか』に続くシリーズ第3弾完結編。2作目に続いて横井監督が手掛けていらっしゃいます。前作まで連続で物語の主人公だった連続監禁犯の男から、3作目では主人公が交代。2作目に脇役で登場していた男が2作目に起こった事件に間接的に関わったことで影響を受けやがて自身もあることで興味をもった女を監禁してしまいます。そこから始まる〝飼育〟の日々。互いの心のなかに同じ虫が巣喰うのを感じとったとき、二人は男と女として肉体を繋げます。飼育の終わりは男が女の真実を知った日。男は手錠で繋いでいた女を自ら解放し、女は男に手錠を掛け号泣するのでした。


2作目とかなりリンクしているので、連続で観た方がいいですね。『連鎖する種』というサブタイトルが2作目と繋がるラスト部分は最後にすべて繋がる感じがあー横井作品っぽいなと感じました。


女優さんの裸体は2作目の方が色っぽいというかエロイです。今作の女優さんは脱いだら残念な感じだった。なので服着たままとか、全部脱がせないでとかのが絡みのシーンはよかったかな。最初の後背位での濡れ場が一番力入ってるなーって感じでした(笑)。でもラブシーンも2作目の方が私はエロティックだった気がする。3作目は濡れ場だけ若干AVっぽい感じがした、かも。


2作目あっての3作目です。これ単独で観ると、うーん……かも。ラブストーリーとしても全体的な雰囲気も2作目の方が私は好き。ただ3作目最後まで観てはじめて2作目はまだ終わってなかったんだ、と。2作目ラストで突き付けられた唐突に現実へ放り出された感が、3作目ラストで上手くオチがつくというかまとまるのでスッキリする。でもね、1~2作目の主人公は絶対懲りてないよ。またやるよ(笑)。


この作品もメイキングやインタビュウが映像特典で付いてます。なななんと!! 監督の髪が金髪うううううううううううう?!!! コレが一番びっくりしたって(笑)。まあもう6〜7年前ですものね。ちょっと尖ってる頃の若々しい監督のお姿が拝見出来ますよ~




『人生をうまく跳べない人』 (2009年公開作品)


劇場公開は2009年9月ですが、撮影は一年前の夏とのことなので、虹色の直前がこの作品だったことになるのかな? キーフレーズとなっているのは「人の属性は 基本的に悪である」


正直なところ、最後まで観て唯一納得出来なかった横井作品です。どうしてああなってしまったのか。ああしてしまう必要があったのか。私、わからないよ(悩)。チャプタータイトル「死に跳ぶ or 生に跳ぶ」これの解をそれぞれで見せておいたってことなの? 彼らがどこでその選択の道が分かれたのか……わかりません。それともそれが、人が選ぶことなど出来ない運命だと言うんだろうか? わからーん!!!!


嫌な見方しちゃうとですね、この作品には女性誌で人気(なの?)の専属モデルが、実際にモデルとして実名で出演しているんですよ。宣伝みていてもこのモデルがかなり大きい扱いされてるんですけどでも、ぶっちゃけストーリーにこのモデルの話まったく要らないのね。モデル絡みのエピソードだけ無理矢理ぶっこんで無理矢理オチをつけたから、その余波をかぶったのが主人公だったのかなあ……とか。監督なりの抵抗だったりするのかしら? なーんて。穿ちすぎてる?


公園で出逢ったリストラ夫と自殺志望のニート、この二人に絞って彼らのエピソードをもっと膨らませたところを観たかったと思いました。人生をうまく跳べていない駄目な人がたくさん出てくるんですけど、先に挙げた二人以外に関しては本当に小ネタでしかないんですよね。


なんかこの作品だけ、これまでの観た横井作品のなかで異色です。妙に毒々しくて、しかもわざと猥雑に描こうとしている感じがした。下ネタも多いしね。ピー音やモザイク、不倫に三角関係、赤裸々に語られる性生活の話……およそこれまでの作品と結びつかない気がしましたが、観ていない部分でこういう要素もあったのかもしれない。違和感の原因としては、これまで観た作品ではずっと監督とコンビを組んでカメラを撮っていた下元さんが撮影していなかったりすることもやっぱり関係あるのかなあと。役者さんも申し訳無いですが誰一人存じ上げない若手ばかりが集まっていて、さらに制作スタッフ兼業で出演している役者も多く、やりたいことに追いつけていない印象。


これは……残念ながらちょっとオススメ出来ないです。最後の一本がこれだったのはちょっと失敗だったかなあ。




この一ヶ月、横井監督の作品を全部で7本観ました。私が一番好きなのは、『観察 永遠に君をみつめて』です。今に繋がる横井色みたいなものを一番感じられたのも、一番うならされたのも、そして泣けたのも『観察』でした。


そういえば、映画観に行ったのに横井監督の君メロ感想をまだ書いてないですね。これもDVDが出たのでレンタルしてもう一度観てみてしっかりまとめなおしたいです。



さて。そういうワケで、今夜、私は勿論渋谷に行くのだっ!!