そして青空は永遠に晴れたまま。

奇跡の2.5次元役者・浜尾京介の芸能活動復帰をのんびり待機中。

110113

日曜の名古屋往復が体力面で堪えたのか今年早くも一発目の風邪を引いてしまいました。今週末から休み無しでイベント尽くしなのに。明日も良くならないようなら病院行ってきます。


さて、そんなこともあって感想をまとめるのが遅くなりましたが、横井監督の過去作品を巡る旅、その続きです。今回は監督の代表作として必ず上げられている『イヌゴエ』とその第二弾を観ましたよ〜。


※多少のネタバレを含みますのでご注意ください。




『イヌゴエ』 (2006年公開作品)


とあるきっかけで犬の声がきこえるようになった主人公が、すこしずつ変わっていく一週間の物語。


DVDのジャケットをみると、愛らしい犬の姿がどーんと。でも騙されてはいけません。この映画はただ可愛い犬が活躍する動物モノでは無いのです。なんせこの犬のペス、おっさんの声で関西弁を話すのですから。


というワケで、とにかくタイトル通り「イヌゴエ」……そう、犬の声に尽きますね。フレンチブルドッグの声が卑怯!! エンケンさん(遠藤憲一)が声優としてあててるんですが、これだけでこの作品は8割方勝ったようなものだったんじゃないでしょうか。そのぐらいインパクト大。そしてハマル。


主人公の青年がイイ味だしてます。没個性のなかの個性。地味な仕事を地味にこなす地味な性格の地味な青年が、突然きこえるようになった犬の声に振り回されながらも地味ながらちょっとだけ前向きに変わっていくお話です。


犬のペスとのラストシーンはきっとキュンとくると思います。そして物語のラストカット、主人公がイイ顔するんですよ。ペスと過ごした一週間があったからこその表情に注目!!



ハートウォーミング系に分類される映画だと思いますが、動物の愛らしさだけでも無く、感動のお涙頂戴系でも無い、ちょいとひねっているあたりがやはり横井作品らしさかな。


犬を飼っている愛犬家なら勿論、犬が好きでも嫌いでも……いや、どちらかというと動物が苦手なひとの方が共感出来る部分が多いかも。かく言う私もその部類なのですが(笑)、主人公はエンディング後にあの部屋でどんなふうに暮らしているのか気になります。これまでどおり換気扇全開、かな。




『イヌゴエ 幸せの肉球』 (2006年公開作品)


『イヌゴエ』のヒットを受けて製作された第二弾。イヌゴエシリーズはUHF系列局でTVドラマにもなったようで(TVシリーズの監督は別の方)第二弾に関わるすべてにおいて嗚呼予算が増えたんだなとわかる作りになっております。


今作も主人公は冴えない駄目男で、彼がイヌゴエを聴くことで遭遇する体験によって人間として一皮剥けていくのは前作通り。でも話の主軸に恋愛ネタを織り込んできたのが新要素かな。それと序盤以外は主人公が犬と一緒に旅をするシーンが長くてちょっとしたロードムービーっぽくもなっています。うん、確実に前作よりもお金がかかってる。出演する犬の数も増えたし(笑)。


が、中身の方は……うーん。第一弾には及ばない、感じ。なにより肝心のイヌゴエが!! 犬がしゃべるその声のインパクトが薄い薄すぎる。エンケンさんの関西弁のあとでは分が悪すぎる。〝イヌゴエ〟のとある設定上、同じ声の主が違う犬に声をあてるワケにはいかない理由があるんで仕方無いんですけれども、前作ペスのエンケンさん声が濃すぎてどうしても違和感が……。


これ、ごらんになるなら第二弾→第一弾の流れの方がいいかも。


そうそう。今作主人公の彼女の実家が岐阜で、喫茶店で頼んだモーニングが小倉トーストだったり、物語の鍵となるあさま食堂(※実在。ただし岐阜では無い)のミルフィーユビーフみそかつといったご当地っぽいネタ、これってやっぱり横井監督のご出身が岐阜なのがネタ元なのかなあ? 今作では監督が脚本にも携わったそうですし、やっぱりそこはかとなーく関係してそうですね。


あと、話の中身とはまったく関係無いのですが、横井作品繋がりというコトで、作中に一ヶ所見つけちゃいました。後半、主人公がペスを見失うシーン、ここ、美貌のアバンで託生がギイと国際電話している場面とまったく同じ某所でロケしています!! ほぼ同じ俯瞰の角度で撮影されているのでわかりやすいです。そうか、寮のロケ地に近いというだけの理由では無かったのね。




イヌゴエシリーズ二作を通して観て、一番印象的だったのは主人公が疾走するシーンがあること。これは『イヌゴエ』に限らず『観察』でも主人公の男は少年時代も、そして大人になってからも走っていたし、『ドロップ』の主人公もクライマックスに向かう場面で自転車を漕いで疾走するシーンがありました。誰か(※犬含む)のために必死で走っている姿を撮るのがどうやら好き、みたいです。格好悪くても誰かのために一生懸命になるのって素敵ですよね。作品のヤマ場での疾走というのはタクミくんシリーズでもお馴染みで、虹色の森田君、美貌のギイ、Pureの真行寺……皆、それぞれ愛しい相手を想ってひた走る姿に多くの観客は胸を打たれたことでしょう。(さあて次は一体誰が走ることになるのやら?)



やはりこれまで観た監督作品と同じように、両方とも観終わった後にじわじわっとくるあたたかいお話でした。そして眠いときは観るのやめといた方がいいです(笑)。


さ、これ返却して次!! 次は……毛色が違うのでちょっとドキドキ〜