そして青空は永遠に晴れたまま。

奇跡の2.5次元役者・浜尾京介の芸能活動復帰をのんびり待機中。

110104

大変な、お正月三が日、でした。


1日の晩にかーちゃんがダウンしちゃいまして2日は年末から溜まっている家事全般を代わりにこなさなくてはならなくなりました。いやー家族全員自宅にいるじゃないですか。正月だものね当然です。つまり3食ごとに世話をしなきゃならんワケですよ。これが非常に面倒臭い。台所に立ちっぱで腰痛いし。3日の晩になってようやくかーちゃんは動けるまでに回復し、臨時主婦業もこれにてお役御免です。



というワケで。ようやくレンタルしていた横井監督作品を2本観ましたよ。


以下、ツイートをまとめた感想になります。多少のネタバレを含みますのでご注意ください。





『ドロップ』 (2008年作品)


こちらは横井監督が『虹色の硝子』を撮る前に手掛けた作品だと思われます。(※Vシネ系のヤクザものは除く)17歳の女子高生のひと夏の恋愛モノだけど、異性との恋だけで無く、同性とのちょっと不思議な友情も描かれていて主人公を取り巻く人間関係に恋と友情がそれぞれ絡み合いひとつの解に辿り着くクライマックスは引き込まれました。おそらく虹色からのタクミくんシリーズを観ているひとにはすんなり入っていけるお話だと思います。


やはり撮影した時期が近いだけに(おそらく半年以内?)作品のなかに虹色に通じる横井色は多々感じられました。この作品も主演以外は素人に近いような、演技の未熟な若い役者ばかりなんですが、拙い台詞と台詞のやりとり、そのあいだをいっそ冗長な程にとって、「間」、でなにかを語ろうとするのが横井演出の特徴と言っていいと思います。


この独特の「間」が、作品として好き嫌いや評価の分かれるところなんじゃないかと。冗長だ退屈だとしか受け取れない感性にとっては「つまらない作品だった」で終わっちゃうかな。確かに途中ダレる部分はありましたけど、高校生の青臭い恋愛とはいえ、一筋縄ではいかない展開に意表を突かれて主人公がとある真実を知るクライマックスでは思わず涙。いやー意外に楽しんじゃいました私。若手役者の拙い演技がそこまで気にならなくなってる(麻痺してる?!)のも大きいかもしれませんが、横井ワールドのタクミくんシリーズに繋がる血脈のようなものが根底に流れているのを感じられたからかな(笑)。




『観察 永遠に君を見つめて』 (2007年公開作品)


ものすごーーーーーく変化球だけどものすごく純愛でした。『ドロップ』よりもさらに取っつきにくいけど、虹色に繋がるような要素はいっぱいあった。綿密に張られた伏線が最後にすべて明かされていくあたりはお見事!! 美貌よりも虹色が好きなひとは絶対に気に入るお話だと思います。私は好きですね~


ラストの種明かし部分にかぶさる遠藤氏のやさしい音楽がこれまた涙腺を刺激するんだなあ〜(泣)!!!! 泣いた泣いた!! 前半1時間は地味だしちょっとどうなのこれ? って思って退屈かもしれませんが、それを乗り切ると後半は目が離せなくなるはず。


『観察』は、人との距離感が掴めない、他人と上手く向き合えないそんな不器用な二人の男女が主人公のお話でした。ちょっと情緒的に欠けた部分をもっている人物の心情演出はこの段階でノウハウがすでにあったんですね(笑)。


あと、雨が降っているシーンがとても重要な作品だったんですが、雨の演出は上手く出来ていたと思います。ちょっと安心しました。(1シーンだけどう見ても外は晴れている明るさだったけど)うん、大丈夫。お話の鍵になるような場面でちゃんと雰囲気ある雨を降らせることが出来るよ、出来るよっ!!




2作続けて横井監督の恋愛ものを観て、監督の描く愛のかたちって、「見つめ続けること」なのかなあなんて思いました。自分から行動を起こすワケじゃないんです。ある種、ストーク的なまでに、ただ相手を見つめ続ける。好きだも愛してるも、自分の想いを告げることさえしないけれど、ただ相手を想い見つめて見守る愛。見返りを求めない愛。触れ合うことは無い、純粋な想いがせつないんですよねえ…。その愛は単なる “恋愛” の範囲には収まらないのかもしれません。


『ドロップ』も『観察』もドキドキワクワクで面白いっ!! というような派手なお話ではありません。癖のある作品です。『ドロップ』の感想でも書いたように、とにかく「間」が多い。台詞よりも表情で多くを語る作風なので睡眠不足のときは危険wでも、どちらもクライマックスからラストにかけて、散りばめられた点と点が結びついて一つになり解がわかる爽快感があります。じんわりと心に染み入るような味わいのある作品でした。


そしてどちらも特典映像でメイキングが入っていますので、今よりちょっと若い監督のお姿と変わらぬ演技指導のお声を確認出来ます(笑)。



是非に、とまでは言いませんが、なにかもう1本借りようかな? というときにはオススメです。
さ、この2本返却して次の作品観るぞー!!