そして青空は永遠に晴れたまま。

奇跡の2.5次元役者・浜尾京介の芸能活動復帰をのんびり待機中。

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映画タクミくんプチコラムその13。

“いかに浜尾を綺麗に魅せるか、の美学”




前置き にあたる前記事にて、ボーイズラブに欠かせない要素と

その醍醐味についてまとめました。ここから始まる今回のプチコラム。



よく「濡れ場で女優をいかに美しく撮るかが監督の腕の見せ所だ」

なんて言われますが、『美貌のディテイル』にもそれは当てはまって

いると言えるんじゃないでしょうか。まあこの場合BLですから女優では

無く、主に “受け” る側の役者を美しく撮ることに置き換えられますが、

前置きの論理からすると、“受け” 役=女優の図式も間違ってはいない

ワケでして、つまり、“浜尾京介をいかに綺麗に魅せるよう撮るか” が、

最後5分のラブシーンにおける監督始め美貌スタッフ渾身のこだわり

であり、力の入れ所だったのではないかと思うんです。


美貌公開前、とある映画情報サイトのインタビュウ記事で大ちゃんが

「ラストは監督も『キレイにみせたい』とおっしゃっていたので」と言って

いました。特典ディスクにも収録されているヒット御礼トークイベントで

最後の5分について訊かれて監督は、「2作目に比べて3作目は濃厚

にしました、かなり。そういう意味では二人にもそれを求めたし。濃厚と

いう具合で求めたわけじゃないんですけど」と語っていましたね。

あらためて作り手の視点を意識しながら、最後の5分を何度も繰り返し

再生してみますと、そのこだわりがなんとなく見えてくる気がするんです。

おそらくはある意図に基づいて “浜尾をいかに綺麗に魅せるよう撮るか”

それを緻密に計算した上で演出がつけられ撮影されたのではないかと。



ではここで一度『虹色の硝子』のベッドシーンを思い出してください。

最初は正面で抱き合っている二人ですが、途中で側位に変えてからは

カメラの位置的に身体の左側を下にする体勢になり、手前にいる託生の

右上腕が結構目立つカットになります。ここで、「あら?意外に託生って

逞しいのね」と感じた方も多かったのではないでしょうか。それと二人が

指を絡み合わせる様子がカットインされますが、ここも「あれ?上と下と

どっちの手がギイでどっちが託生?」と一瞬惑われた方、いませんか?


実は浜尾と大ちゃん、手の大きさってあまり変わらないんですよね。

指を絡ませる演出というのはBLモノのベッドシーンでも常套手段でして

第一弾春風のあの不思議空間ベッドシーンw にも使われていました。

あの場面では、託生役の柳下君の手がギイ役の加藤君の手よりずっと

小さかったので、“攻め” と “受け” を見た目ではっきり区別させるには

うってつけの演出だったと言えるでしょう。(褒められるのはここだけw)


そういう意味においては、虹色のベッドシーンで特にこの2点に関しては

浜尾託生の男性的要素をより強く印象付けるものであったと思います。

それは同時にBLの “受け” の素材として彼を観た場合、視聴者にとって

若干の戸惑いと違和感にも繋がったんじゃないかと思うんですよね。

虹色ではさすがにベッドシーンにおける “受け” 役としての映り方にまで

スタッフの意識が至らなかったんだと思います。映画制作も基本的には

男性社会ですからこれも当然と言えば当然。男同士で絡んでるシーンに

対して、そこまでの何重にも屈折したある種の倒錯的なこだわりをもって

観ている腐女子の方がどう考えたっておかしいんです(;´ω`)



ところが、ですよ。

虹色のこの違和感、なんと美貌ではちゃんと修正してきてるんです!!!!



浜尾京介という役者の外見を一素材としてみたとき、彼は決していわゆる

“美少年” ではありません。タクミくんシリーズでいうと高林泉のような、

美少女に間違われる程の美少年では無いですよね。顔立ちはパッと見

可愛いとか美しいというよりはイマドキのチャラいイケメン風に見られがち

ですし、だからこそ静止画で見たときの印象と実際動いてしゃべっている

ところを見たときのギャップがすごくて、そのギャップに惹きつけられて

ズブズブ深みにハマっていき、浜尾託生の虜となるワケですが…(*´Д`)

それはさておき、素材としてみた浜尾は、背も低くないし、色白でも無い。

骨格はわりとしっかりしていて男の子らしいし、痩身だけど華奢では無く、

部活で鍛えた程良く薄い筋肉が腕やお腹にキレイに付いています。

なかでもラケットを振る利き腕であった右腕の上腕二頭筋はかなり見事w

こうしてみるとBLの “受け” 役としては不向きな素材にも思えます。


そこで美貌では、浜尾京介という素材の非男性的要素…くだいて言うと

“男らしさの対極” にある要素にこだわり、徹底的に追求してきたのでは

ないかと、私は考えています。


たとえば、浜尾の顔を正面からみた場合、…角度によっては野性味溢れる

ようにも受け取れなくもないのですが(なんて間接的な言い回しだっwww)、

これが横からだと、友人曰く「まるで少女漫画から抜け出したような」横顔で

どこか少女めいた雰囲気になります。長くて濃い睫毛、黒目がちの大きな瞳、

ツンと上向いた薄いくちびる、まだ幼さが少し残る丸みを帯びた頬のライン。

次に首。喉仏の目立たない染み一つ無い滑らかな首筋。正面からだとあの

脅威の小顔のせいで首がかなり太くみえるんですが、横からのアングルだと

意外に頼りないかも?という印象を受けます。そして肩、鎖骨から胸元への

デコルテライン。素材としての浜尾の最も美しい部位の一つがここだと私は

思っているんですが、ゆるやかに下がっている撫で肩のラインに鎖骨の先か

肩関節の骨が浮き出る程の肉付きの薄さ、そこに水が溜まるんじゃないかと

いうくらいくっきり綺麗に浮き上がる鎖骨、さらには浜尾を横からみたときの

あの胸板を始めとする肢体の “薄さ” は、男性の肉体として未だ完成されて

いないという、非男性的要素の最たる部分かもしれません。



こうした素材としての浜尾の非男性的要素を、より強調しようという意図に

基づき、“浜尾を、託生をいかに綺麗に魅せるよう撮るか” にこだわって

美貌の最後5分は撮られているようにみえてくるんですよね。


虹色のベッドシーンに比べると、今回、やけに首から上のカットが多いです。

出したとしても魅惑のデコルテラインまで。時折カメラがパンして少し下まで

映り込むこともありますが、基本的には肩と首より上をメインアングルにして

カメラは託生とギイ、二人の表情を追っていきます。


最初は二人ともシャツを着ているところから始まって、徐々に脱がせていく

様子も盛り込まれています。ギイは途中で自らがばっとシャツを脱ぎ捨てて

実に男らしく逞しい肉付きの背中からのショットを披露してくれますが、一方、

編集の都合上、シャツを羽織っては脱がされ羽織っては脱がされな託生w

濡れ場の前半は託生の身体のどこかにシャツが引っ掛かったような状態で

裸体をシャツで隠すようにして進んでいきます。肩や腕に纏わり付くシャツの

白さが薄暗い空間で仄かに照らされると、どこか羽のようにみえたりもして、

まるでギイは性別を感じさせない天使を抱いているみたいです(夢見すぎ)


後半戦、立ち上がった状態になってからも、託生は柱に寄りかかることで

身体の半分は隠れて影で見えにくいように撮られています。身体の左側が

手前を向くようなアングルなので、右腕と違って左腕は上腕の筋肉もさほど

目立ちません。そして託生とギイが手を重ねるカットでも、ギイが託生の手

を覆うように重ねて、さらに上から指を絡めて握り締めることで、観る側の

印象的には託生の手の方が小さいように感じるんですよね。また、このとき

託生の指をみると、爪がわりと長めに伸ばされているので指先が長く繊細に

みえるんです。これも非男性的要素の一つとなります。体勢を変えて向かい

合ってからも、横からのアングルにこだわった結果、横顔、肩、首筋、うなじ、

指先…と、これでもかーという程、浜尾の非男性的要素のオンパレードです。


最後の方でカメラが徐々に下降していくところまできて、ようやく託生も男性

であることを嫌でも意識させられるカットになるのですがw それでも託生の

胸板の薄さを強調するようにギイの顔や手が這い回っているので、そちらに

気を取られて次の瞬間には託生のアップに切り替わっているという感じ。


逆に、ギイは男性的要素をより強く押し出すように撮られています。

基本的に男優側、この場合は “攻め” る側というのはこういう場面では

なおざりにされがちですw 確かにカメラ手前にくるのは託生の表情ばかり。

ギイの顔があまり見えないカットも多いですが、それでも大ちゃん、とても

色っぽい本気の男の顔を見せてくれています。先に挙げた背中もですし、

なにより今回印象的なのは手の動きです。託生の頬から首からうなじから

一掴みに出来そうなギイの大きい手が、託生を忙しなく且つやさしく撫で、

ときに強引に引き寄せます。その優しさと力強さは “攻め” る側に必要な

男らしさ、男性的要素を視聴者に強く感じさせることでしょう。


前出のウェブ記事で、「僕が演じるギイが男っぽければ、より一層彼の方が

女性として見えるので、それは気づかいながら演じていました」と大ちゃんは

明かしていますし、虹色の頃からずっとなにかにつけて「託生のことを女の子

だと思って演じた」としつこく主張し続けてきていましたw 今回のコメンタリー

でもこのシーンで「接し方が女性に対しての接し方」だと言っていましたね。

この大ちゃんの発言、腐女子としてはここまで “受け” の女扱いを高らかに

明言されると、「もうそこまで正直に言わなくてもいいじゃん」と、あまり面白く

なかったりもするのですが、これってはからずもボーイズラブの醍醐味の

真髄を無意識に突いていたのかもしれません(;´∀`)



“攻め” る側からは女扱いされて、男の子なのに女性の役割= “受け” を

演じることで、女では無い、でも男として完成されてもいない、過渡期直前の

少年がもつどこか中性的な雰囲気を、美貌スタッフの美学追求のおかげで

浜尾託生は自身の魅力に取り込んで発揮しているのではないでしょうか。

“天使を抱いている” …も、あながち夢見すぎでは無いのかもw

本来のボーイズラブの醍醐味を実写映画化するのに成功した要因は

このあたりが一つの鍵となったのではないかと思います。



力及ばず最後までグダグダで上手くまとまりませんでしたが、要は

「浜尾をあんなに綺麗に撮ってくれてありがとう監督!!!! 美貌スタッフ!!!!」

結局のところは、これに尽きますかねw




…後々こっそり加筆修正するかもです。