そして青空は永遠に晴れたまま。

奇跡の2.5次元役者・浜尾京介の芸能活動復帰をのんびり待機中。

120122


青空本編完全ネタバレ感想その16です。ジュンプラをがっつりと。
すでにDVDも発売済みですのでそちらを観ながらごらんいただけると幸いです。


これまでの感想はこちら。
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まずはお約束の長ーい注意書きから。
駄目だなって思ったら、即引き返して読まないでください。




※映画版『あの、晴れた青空』の完全ネタバレになります。
※映画化されていない他の原作エピソードも遠慮無くネタバレします。
※映画撮影時のメイキング的なエピソードも随時盛り込みます。
※映画版青空に関係無い話題にも必要があればどんどん脱線します。
※原作・映画版ともにギイタク至上の主観的感想です。
※あくまでも根本的には腐女子が書く感想です。お察しください。
※なので、ギイタクのラブシーンは当然ですが大好物ですw




こちらの【青空あらすじまとめ】の流れに沿って感想を書いていきますのでよろしければご参照ください。






(38)
回想シーン(36)の続きで一年前の305号室。「なんて顔してるんだ、託生」、と、慈愛に満ちた目で託生をみつめてギイが言います。その声のやさしいこと。ついさっきまで託生への逸る欲望を迸らせながら熱くささやいていたギイではありません。託生はその大きな目をさらにいっぱいに見開いて、真上から自分をみつめるギイを凝視します。今、自分を組み敷いているのが誰なのか、まるでそれを見極めるように。そんな託生をみて、ギイはさらにやさしくふわり微笑むんですね。ちょっと眉根を上げてみせて、「託生、よくみろオレだよ」って感じで。そうしたら託生の見開かれた目がだんだん緩むんです。緊張が解けていくんです。何度もまばたきをして、間違い無くギイであることを確認して。……そして、託生は自ら腕を差し伸べます。左腕、右腕、と一本ずつゆっくりギイの背中に腕を回して、自分へと抱き寄せるんです。己の意思ではじめて抱き締めたギイ、身体に受け止めたギイの重み。それはもう恐怖では無く、ただ愛しい重みとなって託生のすべてを安らかに満たしたのでしょう。それがわかるのが、このカットにかぶる託生のモノローグ『ああ……このひとは、ギイだった。無条件でぼくを大切にしてくれる、唯一無二のひとなんだ――』この瞬間、託生はようやく身も心もギイを受け入れられたんだと思います。その証拠に、もう託生はギイを怖がりも拒みもしません。互いに微笑み合ってから軽くくちびるに触れると、続いて啄むようなキスが繰り返されます。やがてそれが深く求め合うくちづけへと変わっていく途中で、暗転。



大事な大事な託生とギイのはじめて。託生がギイの想いを自らの意思で受け入れたとわかる場面です。個人的にはこのシーン、ジュンプラで一番重要だと思っていた部分である「ああ……このひとは、ギイだった」、が、託生のモノローグとして語られていたことにいたく感動しました。そうなんですよ、目の前の相手が「ギイ」だから。あのひとじゃない、なにか代償を求めたりしない、無条件で自分を大切にしてくれるひと、「唯一無二」の「ギイ」だから、頑なに閉ざされた身体と心を託生はやっと開くことが出来たんですよね。この「ああ……このひとは、ギイだった」と語る浜尾託生のモノローグがもう……絶品です!!!! 「ああ……」でギイの重みとぬくもりを味わってる感が溢れてるし、「ギイだった」の「ギイ」の言い方がね、浜尾託生節ならではのちょっと上がったトーンで呼んでいるのがたまらない。このモノローグ、ギイの愛情を全身で受け止めながら抱き締める託生の安堵の表情にかぶせてくるのがこれまた泣かせます。その前の、託生が子どもみたいにあどけない顔でおずおずとギイの背中に腕を回すところからすでに泣きポイントなんですけどね。託生が「たったひとり」のひとをようやく手に入れられたんだ……って、もうホント泣ける(号泣)。


ここで交わされる託生とギイのキスは、虹色のベッドシーンでのはじまりのキスにすこし似ている気がします。カメラの角度とかね。でもあのときのように誰の目にもあきらかな、ガチガチの硬さはもう浜尾の託生には無くて、だからといってゼロ番の夜に散々交わした馴れたふうな熟年のキスでも無く、嗚呼これからはじまるんだなってのを予感させるそんなキスなんですね……って、ちょっとわかりにくいかな(笑)。でも繰り返すうちに求め合う色が濃くなっていくので、暗転後どうなったのか、が視聴者には予想出来ると。ちなみにこの暗転後にキスを続ける二人が一瞬シルエットで浮かび上がるので注目!!



(39)
一年前、305号室。雨しずくが滴る窓の様子に託生の声がかぶさってきます。ようやく身も心もひとつに繋がった託生とギイが二人で迎えるはじめてのピロートークです。でも、それは託生がひたすらに隠し続けてきた過去の告白の場となります。肉体を繋げたことで身体の秘密が無くなった今、次は心の秘密をギイに晒け出す番です。ギイにだけは知られたくなかった自分の忌まわしい過去を、「このひとなら大丈夫」と、唯一無二のひとなのだとそう安堵出来たことで、託生自らギイに打ち明ける勇気を得たのでしょう。互いになにひとつ纏わぬ姿で素肌の背中をギイにすべて預けながら、託生は遂に語り始めます。三年前に亡くなった兄のこと。両親の兄への溺愛と眼中に無かった自分のこと。その兄が幼かった自分にしてきたこと。抵抗しなかった、できなかったこと。兄が自分のことを話すときだけ両親の興味が自分に向いたこと。うれしくてたまらなかったこと。……それを兄が利用し、自分を欲望の対象とし続けたこと。―感情的になることも無く、どこか諦めたように淡々と話す託生を、たまらずギイが背後から回した両腕でギュッと強く抱き締めます。それに大丈夫だよ、とでも言うように微笑んだ託生は、忘れられないあの日のことを口にするのです。「そして、あの日が来たんだ……」兄との行為最中を母に目撃され、すべてを自分の罪にされたこと。兄の性格異常を両親が知るまで一年も誤解されたままだったこと。その頃にはどうでもよくなっていたこと。なにもかも諦めてしまったこと。――自分の救いだった最も近しい人間に裏切られて絶望した幼い託生にとって、すべて諦めてしまうことが唯一の生きていく術だったのだ、と。託生の重い告白を聞き届けたギイが訊きます。「恨んでるのか、今も」「うん……多分」自分のことなのにどこか遠い出来事のようにぼんやり答えると、託生はそこではじめて自分を抱き締める背後のギイを振り返り、不安げな表情でじっと見上げ尋ねます。「でも、ギイ、……ぼくを嫌いになった?」それにギイは、「オレ、愛してるって言わなかったか」告白を聞く前と変わらぬやさしさで託生に愛をささやいたのです。一瞬泣きそうな顔になる託生。それでも安心したように目を閉じて、託生はうれしそうにギイの腕に手を重ねてまるで子猫が懐くように頭を擦り寄せながら身を委ねます。そんな託生を、ギイは決意を秘めた表情で大事に大事に強く抱き締めるのでした。



ジュンプラの最重要場面である託生の過去、「兄とのこと」、の告白。今作でなにかと話題となった浜尾託生の長回しシーンです。はじめて身体を繋げたあと、互いに素肌を晒しての語らいですね。ここは是非中盤にあったゼロ番ピロートークと比較してみてみたいと思います。どちらも愛し合ったあとに素肌で語り合う託生とギイなのですが、一年で二人のあいだにある雰囲気が全然違っていて、まったく別物のピロートークを一つの作品で二度も味えるんですねー贅沢贅沢。そしてそれを見事に演じ分けている浜尾託生と大ちゃんギイ……いやーあらためて凄いですよね。たった6日間の撮影期間に過去と現在の、密度の濃く難しい場面をこうも自然に演じてしまったんですからね。


このジュンプラの告白シーンは1カットの長回しで撮ったということで印象に残るシーンだとはまおさんは言っていましたが、思えばゼロ番のピロートーク、あれも実際かなりの長回しなんですね。最初と最後だけは俯瞰からのカメラワークですが、ギイが託生を自分の胸に抱き寄せてから再び俯瞰の図になるまではずっと切れ目の無い1カットの長回しです。ゼロ番での二人が終始見つめ合ったゼロ距離での睦み合いであるのに対し、ジュンプラでの二人はゼロ距離でも託生がギイに背中を預けてギイが後ろから抱き締めている状態です。つまり託生の表情もギイの表情も、どんな顔をしているのか互いにはみえないんですね。だからこそ託生は過去を打ち明けるための最後の勇気がもてたのかもしれない。背中からギイという絶対的なガーディアンの鼓動を感じながら、ギイに護られていると感じながら、でもギイの顔はみえないからこそ言えたのかもしれない。それはギイも同じで、自分の過去なのにあまりにも託生が訥々と語るものだから、痛い、苦しい、と言えなかった過去の託生の分まで今ここでギイがその心の傷をすべて感じ受け止めている……そんな悲痛な顔をギイはしちゃうんですよね。その表情は託生にはみえないから。でも託生は、自分を抱き締めるギイの腕の強さで感じ取ってるかもしれませんけどね。告白のあいだ一度だけ、託生はギイを振り返ります。すべて話し終えて、託生の真実を知ってしまってもそれでもギイが自分を愛してくれるのか……不安に駆られた顔で見上げる託生の子どものように頼りなげな表情には観ているこちらも胸がギュッと締めつけられます。そんな託生を、ギイは後ろから強く強く抱き締めて託生が擦り寄せてきた頭に顔を埋めるんですね。その表情は、ようやく手に入れた愛おしい存在をこの腕のなかから二度と離したりしない、と固く誓っているようにもみえました。なんてせつない触れ合いなんでしょうか。なにもかもを諦めていたあの頃の託生の語り口調とそれを聴くギイの痛々しい表情に泣かされます。互いを慈しみ合う想いが溢れる、いわゆる「終われない余韻」もここはたっぷりですよね。


最初は原作通りに託生は毛布に包まれて蓑虫くんでいてほしかった、とも思ったのですが、橙色のあたたかな灯りに照らされた上半身裸の託生とギイ、彼らが寄り添う姿があまりにも美しいので、嗚呼これはこれでイイものだ、むしろ素肌だからこそ背中を預けていることに意味があるのだ、なんて思うに至りました。最早今となっては原作よりも映画派なので。


キ●マ旬報の青空批評では頭の固いオジサン評論家にこの場面、回想シーン無しですべて託生の口から語らせていることをまるで手抜きみたいに言われてましたけど、いや、そうじゃないのよねー。そもそも回想シーンに過去の描写を丸投げして子役にすべて演じさせて結果失敗したのが第一弾の春風だったんだもの。それのリベンジの意味が今回にはあるんだってこと、つまり今の託生の口からすべて打ち明けさせることに最大の価値があるのにわざわざ回想シーンなんか挟んでどうするのだ!! ……まあこの作品だけをお仕事で観た人間にはわからなくても当然か。この件に限らず●ネ旬のオジサン評論家の批評は映画の内容では無く原作批判になっていたり、BLとゲイ映画の区別が出来てなかったりとどれも的外れすぎてなんだかなーでしたねえ。このキ●旬批評に比べたら活動リサーチ社の素敵なおじさま方の許容量の広さや柔軟性が一層輝いてみえました(笑)。




ところで、このジュンプラの長回しシーンについて、一つ疑問に思っていることがあります。長回しシーン、公式ブログでは8分間、メイキングでは7分半と表記されていましたが、実際に本編中ではこのシーン約5分しかありません。つまりどこか編集段階でカットされているということですよね。映像をみればなんとなくわかるんですが、この場面、3箇所あからさまな編集点があるんですよ。一番初っ端の窓と軒の映像部分と、外からみた窓の映像部分(01:16:34〜)、月の映像部分(01:17:42〜)がインサートされてそこに託生の声がかぶさっているところです。おそらくあそこで長回しの映像が編集されているはず。ちなみにこのシーンの台本をみてみるとですね、実は原作にもっと忠実な託生の台詞がその編集点の合間合間に存在していたんですよ。具体的に言いますと、「入院してた病院で死んだんだ」のあと「どこか悪かったのか?」から心臓が悪かったというやりとり。「ぼくなんか眼中に無いほど心をかけていた」のあとに両親が託生に関心が無かった、そんなの親じゃないじゃないか、というやりとり。そして「兄はそれを利用していたんだ」のあとに、実の弟に手を出していたという兄の仕打ちに関するさらに赤裸々な内容。これら元々台本にはあった部分が本編映像ではばっさりカットされているんですね。おそらく実際には撮影されたけれども編集段階で削られたんであろうと推測しています。そう考えると挿入された妙な編集点もぴったり一致しますし。これはほぼ間違い無いのではないかなあ。


個人的にはこれらのうちの3つめはカットして逃げてはいけなかった部分だと思うんです。以下、大事なところなので台本にあった台詞をそのまま引用してみます。



  託生「でもね、おかしいんだ。兄は完璧潔癖主義者なんだ……
     実の弟に手を出してたくせに」
  ギイ「……」
  託生「そのギャップが、兄の精神を少しずつ蝕んでいったのかもしれない。
     されれば、声だって出る。感じればそれなりに反応する。兄にはそれが
     たまらなく汚らわしかったんだ。その度にぼくを卑しい人間だとなじった」



兄に手を出されて、声を出したり感じてしまう自分の反応を、幼い頃から兄に汚らわしい、お前は卑しい人間だとなじられ続けたことで、この行為はいけないことだ、汚らわしい罪なのだと託生は思い込んでしまったんですよね。それはやがて人間接触嫌悪症に繋がるトラウマとなるワケですから、この部分は是非とも本編に入れておいてほしかったんです。だって本編の中盤で、兄の「誰があんな託生を愛してくれるものか」「お前は卑しい人間なんだ」という呪わしい幻聴を託生は聞いているんですよ? この件、結局本編では回収されてないですからね。何故託生はあんなにも失いたくないと思いながらギイの愛を受け入れることを恐れていたのか、どうして自分がギイに愛される資格が無いと思っていたのか、その答えが託生の告白のなかにあったのに。それをカットしてしまった(完全に推測ですが)のはなあ……なんでだろう? やっぱり都条例の関係? それとも兄が精神を病んで弟に手を出してたって展開が拙かったのかな? ここのカット部分、ディレクターズカット版には入っていたりしないかとちょびっとだけ期待してたんですけどね。うーん、返す返すも惜しいです。


これで実際撮ってなかったなら監督にスライディング土下座。いや、それでも台本にあったものをカットした演出意図は訊いてみたいぞ。だけどコメンタリーでも触れられなかったのでもうそんなチャンスは無いんだろうなあ……


↑ 2012年12月1日の青空extended ver.初日舞台挨拶にて、青空パンフレットのメッセージレターと監督ご自身の口からお話を訊くことが出来ました。ほぼ、わたしの推測通りでした。監督にスライディング土下座はしないで済みました(笑)。



青空本編も残り5場面。
あとはお墓参りとエピローグを残すのみです。もう一息!!

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