そして青空は永遠に晴れたまま。

奇跡の2.5次元役者・浜尾京介の芸能活動復帰をのんびり待機中。

110812


青空本編完全ネタバレ感想その9です。
赤池登場シーンが3連続。今日もネタバレガンガンですよ。


これまでの感想はこちら。→ 【その1】 【その2】 【その3】 【その4】 【その5
その6_a】 【その6_b】 【その6_c】 【その7】 【その8




まずはお約束の長ーい注意書きから。
駄目だなって思ったら、即引き返して読まないでください。




※映画版『あの、晴れた青空』の完全ネタバレになります。
※映画化されていない他の原作エピソードも遠慮無くネタバレします。
※映画撮影時のメイキング的なエピソードも随時盛り込みます。
※映画版青空に関係無い話題にも必要があればどんどん脱線します。
※原作・映画版ともにギイタク至上の主観的感想です。
※あくまでも根本的には腐女子が書く感想です。お察しください。
※なので、ギイタクのラブシーンは当然ですが大好物ですw




こちらの【青空あらすじまとめ】の流れに沿って感想を書いていきますのでよろしければご参照ください。






(19)
託生と赤池、彼らの “秘密の場所” にて。この場面は次の回想シーンとの対比で是非観てほしいです。まずは現在の二人。日付は一日飛んで6月12日木曜日、この日も天気は雨。降りしきる雨のなかを何故かわざわざ外に出かけて、東屋で缶コーヒー片手にブレイクしている託生と赤池です。スヌーカー大会の優勝者を当てる裏トトカルチョについては、原作ではゼロ番の夜にギイからその存在を聞かされていましたが、映画版では赤池の口から説明されるというアレンジに変更されています。……そうか、原作はギイ自身が託生の前で、自分は大会へ出場することは無いよ大丈夫って念押ししちゃってたのに映画はそこを省いてたワケか。うーん……このくだりは入れておいてもよかったかな。そうすれば約束を破ったギイへの託生の怒りにより説得力が出ただろうに。でもあれ以上ゼロ番に時間を割くのはマズイか(笑)。



虹色のトンネル、美貌のウッドデッキに続く恒例、託生と赤池の〝秘密の場所〟今回は温室近くの東屋です。いやー祠堂の敷地内は本当に広いなあ(笑)。ロケの都合上(ぴゅあを除く)毎回場所を変えている彼らの秘密の場所ですが、あの作品世界のなかでは季節ごとに二人で気の向くまま変えてたりして、それを物陰からこっそり見つめてギイがハンケチをギリギリしながら嫉妬してるといい(笑)。


個人的には託生と赤池の秘密の場所でのシーンが毎回好きで好きで大好きで!! 最初に虹色コメンタリーで「二人の秘密の場所」、と名付けたのは滝口先輩でしたよね。それを意識してるのかどうかはわかりませんが、虹色以後も毎回ちゃんと盛り込んでくれているのがすごくうれしいです。でも今回の託生と赤池の秘密の場所シーンは、正直二人ともキャラじゃなくなっているというか、彼らの素が出過ぎてるような気がした。だって託生は甘えすぎだし、赤池は甘すぎだし(笑)。このシーンの初っ端にね、託生が「トトカルチョ?」って赤池に訊く台詞がね、すでに託生にしては可愛すぎるのっ!! あんなにも可愛い「トトカルチョ」聴いたこと無いよおおお〜超ラブリーなの!!!! そこから「せっかくギイが出るんだから」と赤池がポロリするまでのあいだ、二人ですごーく仲良く楽しそうに笑い合ったりしてるのね。もうこれマオたんとタッキー先輩やん(笑)。まあね、託生がそれだけ赤池の前でもリラックスしてカワイコちゃんになっちゃう程、心許して打ち解けたんだって思えば、作品中の時間経過とシリーズ作品としての歴史がこれまた上手くリンクしたが故の素敵なコラボレーションなんだと感慨深いですけどね。



赤池がなんの気無しにポロッと漏らした言葉から、託生はギイがクラスの代表として日曜のスヌーカー大会に出場するのだと知ってしまいます。この場面の様子は予告編やメイキングにもすこしずつ映っていますね。「ひどいよ、ギイ」、って口元を手で覆う託生があまりにコミックス版で描かれていた託生のポーズそのままで目を瞠りました!! さすがは漫画のコマを切り抜いて台本に貼ってまでして研究を重ねたはまおさんですね。最後には両手で顔を覆って鼻を啜りながら俯いてしまうので、この場面、託生が本当に涙流して泣いているかどうかは不明。託生の真珠の涙は後程じっくりと。




(20)
託生と赤池、一年前の回想。(9)での回想シーンの続きになります。寮の郵便受けの前で305号室のBOXに入っていた母の手紙をギュッと握り潰す託生。そこに、『誰があんな託生を愛してくれるものか』『お前は卑しい人間なんだ』、と蔑む今は亡き兄の声がして託生を責め立てるのです。さらに追い打ちをかけるように、『あんたなんか私の子じゃないッ!!』、という母の絶叫。



いよいよ託生の抱える過去、その核心部分に近づいてきました。祠堂に来て二年生になり、ギイと同室になった最初の日に「好きだ」と告白されて、ギイを好きになることですこしずつ癒えつつあった託生の人間接触嫌悪症ですが、ギイのことを好きになればなる程、託生のなかでは別の不安が大きくなっていったんですね。(10)の回想シーンで交わした会話もすべてはここに繋がります。ギイを愛しているから、誰よりも大切だから、だから本当はその想いに応えたい。秘密も全部打ち明けてしまいたい。でも、過去になにがあったのかギイが知ってしまったら、これまでと同じように彼は愛を熱くささやいてくれるだろうか。そんな託生の葛藤を嘲笑うかのような兄の声、そして忌まわしい過去を呼び起こす母の声。託生の心はどんどん追い詰められていきます。過呼吸のような状態になり、廊下の椅子に倒れ込んだところを赤池がみかけて声を掛けるのですが、この声がね、直前の場面の声と全然違うの!! ちゃんと一年前の託生に対する距離感の声色なの!! 演じ分けてる!!!!


これは明らかにわかりやすく対比させるように連続で持ってきているシーンですよね。現在の託生と赤池、一年前の託生と赤池、二人の距離感の違いがはっきり感じられます。声よりももっとわかりやすいのは実際に彼らが接しているときの距離です。(19)のシーンではベンチに並んで腰掛けていてますが、この場面一年前の赤池は託生とのあいだに一定の距離を保ったままそれ以上近づこうとしません。それはそこまでまだ親しくなっていないということでもあるし、嫌悪症を抱えていた託生への赤池なりの気遣いでもあるでしょう。ここ、メイキングに収録されているリハ段階では、赤池、託生の隣に座ってるんですよね。原作のジュンプラでもこの場面で赤池はすこし距離を空けて隣に座っているので、元々は原作準拠だったんだと思うんですけども、おそらく本番で演出が変更されたってことかな。このあと託生が倒れても赤池は慌てつつ託生には決して触れないんです。徹底してるわ〜。



託生は赤池に「誰かを好きになったことある?」と尋ねます。どうしたら好きになった人を失わずにすむのか、と。尋常では無い様子の託生を気に掛けつつも赤池は、ギイなら心配は無い、ギイは一時の気の迷いなどでは無く想像以上に託生のことを想っていると答えますが、追い詰められた託生にはその言葉、届きません。聞く耳を持たない託生は赤池へ一方的に疑問をぶつけていき、「ギイを失っても生きていけるの? ねえ、どうなんだよ!!」と叫んで立ち上がるとそのまま意識を失ってバタッと崩れるように廊下に倒れ込んでしまいます。


「ギイを失っても生きていけるの? ねえ、どうなんだよ!!」……これって赤池に訊いているけど、その実、託生が自分自身に投げ掛けた疑問ですよねえ。今、ギイを失って生きていけないのは託生の方だから。ギイを失うことへの怖れを口にした瞬間に気持ちがMAX振り切れて意識を飛ばしてしまったのも、多分その証しなんじゃないかなあ。


それにしてもここの浜尾託生は迫真の演技でした。いやー凄かった!! メイキングの比ではありませんよ。演じているというか、きっと本気で気持ちが追い詰められてたんだと思う。最初はそれでも低い声でわりと落ち着いて赤池に訊いていたのに、気持ちが昂ぶっていくにつれて声はどんどん高くなっていくし呼吸も荒くなるし、観ているこちらの胸も苦しくなるってもんですよ。でもこの託生の姿が痛々しければ痛々しい程、託生にとってのギイという存在の大きさをみせつけられているような気がします。「ギイを失っても生きていけるの?」この台詞、本当に重い一言ですよね。嗚呼そんなに大事なひとになっちゃってたのか……って。そして託生の抱える過去という傷の深さをも視聴者に感じ取らせる場面になったと思います。




(21)
引き続き一年前の回想。場所は305号室、託生とギイの部屋です。ギイと赤池が話しています。託生はまだ気を失ったままベッドに寝かされていました。


ここ、託生は身体の左側を下にして横向きになっているんですが、上に着ていたパーカーを脱いで(いや、脱がされて?)サーモンピンクの半袖Tシャツ姿で横たわっていますが、この衣装、今回の青空で一番ツボ。袖が短めで色も似合っていて可愛い!! パーカー一枚脱いだだけでも随分頼りなくみえます。ほら、やっぱり身体薄いからあの子(笑)。一応設定上は梅雨の時期のお話なのに、撮影の都合上どうしても基本的に厚着しているので(それかなにも着ていない肌色状態なので……)この半袖姿には萌えときめいた〜!!!!



先程の託生の様子を目撃した赤池がギイにこのままじゃまずいだろうと忠言しますが、ギイは信じているんですよ。今の託生の奥底に眠っているであろう本当の〝葉山託生〟の輝きを、強さを。ギイはずっと昔、託生が本当に託生らしかった頃の託生を知っているから。だから――「その頃から、好きだった」……暗転する画面の向こうでそう語るギイの口調は、どこかうれしそうにもきこえて……託生を信じて、託生の想いの形が自分と同じに重なるのをギイは辛抱強く待ってるんだなって、そう思いました。大人だなあ〜




なんとか半分ぐらいまではきたかな。
この続きは託生vsギイの愛の闘い・第2ラウンド、必見です。