そして青空は永遠に晴れたまま。

奇跡の2.5次元役者・浜尾京介の芸能活動復帰をのんびり待機中。

100916


映画タクミくんプチコラムその15。

“タクミくんシリーズは友情物か?”




気がつけば二ヶ月弱ぶりのタクミくんプチコラム。

前回の記事を書いたあとにお花事件だーイベ落選だー

私生活のゴタゴタだーととと、精神的に落ちることが

続いてモチベーションが戻らないまま護星の8月を

迎えたということですねわかります(´ー`)


しつこいようですが、あのどん底からわずか二ヶ月後

こんなことになっているとは。まさかですよ、まさか。

人生なにが起こるか分からないよねホントにね。



それでは注意事項。

※虹色・美貌は勿論、まだ映画化されていないPure含む

 原作タクミくんシリーズのかなり濃いネタバレがあります。

 知りたくない方は自主回避推奨!!!!




虹色のときからそういう傾向はあったのですが、

美貌のコメンタリーを聴いていると毎回ちょっと引っ掛かかる

ところがありまして(以前にも触れたような気もするんですが)、

それが序盤から中盤にかけてキャストたちが男性同士の恋愛と

タクミくんシリーズについて語る部分なんです。そこで頻りに

繰り返し強調されている「男同士の友情」がうんたらかんたら。

ボーイズラブという面だけではなく友情に注目してほしい」

なんてのもインタビュウや舞台挨拶等でよく言われていましたよね。



では、問おう。タクミくんシリーズは果たして友情物であろうか?



答えは完全にNOです。

タクミくんシリーズはあくまでもボーイズラブです。

しかも物語に登場する男たちが悉く同性に恋をしている、若しくは

恋してしまうという、学園(内外も含めて)総ホモファンタジーです!!

唯一ノーマルな赤池が最後の砦と言われているくらいなのです。

これをして友情物などとは、腐女子的には片腹痛いわwww


いや、勿論 “友情” は、確かに描かれています。

たとえば『虹色の硝子』では、ギイと鈴木の友情。託生と赤池の友情。

ギイと赤池の友情。託生と鈴木の友情。何故か登場させられていた

高林ともこの映画版虹色内においては友情関係にあると言えるでしょう。

『美貌のディテイル』では、託生と赤池、託生と利久、そして託生と三洲。

託生を取り巻く仲間との友情はあたたかく存在し、新入生から嫌悪症に

陥った託生を庇う場面など、実に頼もしくやさしい気持ちにさせてくれます。



では、肝心の託生とギイは?


…極論かもしれませんが、

彼らのあいだに友情は一切存在しないと私は断言します。

特にギイの託生への想いが友情であったことなど一度も無いはずです。

現段階で原作において明らかにされているのは、ギイの一目惚れで

あったということ。彼は小学生の頃に佐智の出演していたバイオリンの

発表会で、偶然そこに出場していた託生にどうやら惚れたらしいのです。

どういう理由で惚れたのかはいまだに不明ですが託生のことを想い続け、

彼が入学するというだけで、それまでアメリカ育ちだった超の付く御曹司が

日本の高校への留学、それも人里離れた山の中腹にあるという祠堂学院を

選んだのです。年齢ヒト桁の頃からの筋金入りのホモなのですよギイはw


つまり、託生をみつめるギイのその眼差しは、最初っからただの恋する男の

ものであったのです。そこに友情など、カケラも無かった、と私は思います。

惚れた相手追っかけてわざわざ留学までしたラブパワー舐めんなよ、と。




では、美貌コメンタリーのなかで、参加した各キャストと横井監督が

男同士の友情と愛について語った部分を意訳しながら引用してみます。



大輔さん

「(前作でボーイズラブって聞いたときに、やっぱりなんかやだなって

 部分はちょっとあったけど)実際蓋開けてみると、友情の方が強い

 というか、全面的に、やっぱ男ってこうだよなってのがあったから…」


馬場君

「女の人の友情より、男同士の友情の方が熱かったりする。

 絆が熱い。その、延長線上なんだな、みたいな。そこの、究極の、

 行ったところが、そういう恋愛に発展するみたいな形だったから…」


滝口さん

「男性が男性のことを好きになるって言うのは、恋愛感情とはまた別に、

 なんかもっとすごい、たとえば本当にやさしいとか、守ってくれるとか

 そういった感情が本当に強いものが無いと多分そこに行かない」


紅葉君

「恋愛ってなると、好きになったら男女関係無いってのもあるし、

 男だったら男同士でわかるところもあったりとか、男と女で

 わかんない部分も、男と男でわかるって部分もやっぱあるから、

 その友情の延長線上っていうのもあるかな」


横井監督

「愛し合う、っていうのがあるかもしれないけど、結局愛し合うところに

 行く前までってやっぱりその友情であったりそういうのから派生して

 どんどんどんどん積み重なっていくものだから…」




男同士の恋愛という未知の領域を、一生懸命なんとか理解しようと

努めてくれている男性の皆さんの姿勢には本当に頭が下がります。


が。

しかし。腐女子的観点からすると、タクミくんシリーズを一番正しく

理解しているのは滝口さん。…というかタッキーだけですね(;´∀`)

少なくとも映画版虹色と美貌に登場した託生&ギイ、鈴木&森田

三洲&真行寺、この3組はいずれも友情の延長線上で成立した

カップルではありません。(鈴木&森田は成立すらしていないし)


「友情の延長線上」「友情の究極の形」「友情から派生する恋」

この手のパターンは、BLモノにおいては昔から使い古されてきた

ある意味王道でわかりやすい、感情移入しやすい設定ではあります。

でも、タクミくんシリーズでは、それは通用しないことの方が多い。

「友情の延長線上」で誕生したカップルはほとんどいないのです。


以下、少しだけ原作のコアなネタになります。

原作を思い返してみても…うーん、パッと思い浮かばないなあ…。

矢倉&八津とか、森山先輩&柴田先輩とかは「友情の延長線上」

かもなあ…?と思って、資料の『15th Premium Album』を見てみると、

どちらも攻めが一目惚れしていて、友情から発展した恋とは言い難い。

タクミくんシリーズで多いのはコレ。攻めか受けかどちらかが相手に

一目惚れしずっと想い続けて、相手がその気持ちを受け入れることで

ようやく恋が実る…という、このパターンのカップルだらけなのです。

その筆頭にいるのがギイ&託生であることは言うまでもありませんw

「友情の延長線上」と言えるのは…利久&岩下君のところぐらい?

ここも岩下君の片想い期間が長かったとは言え、彼らのきっかけは

ルームメイトだったことから始まったワケですから、最初に築かれた

友情がはぐくんだ恋と言えなくもない。…かもしれない(;´ω`)



映画のお話に戻りますが、あらためて虹色と美貌と、そしてPure。

Pureを含めても「友情の延長線上」のカップルはやっぱりいませんw

虹色と美貌では赤池を始めとする周りの友人たちの “友情” によって

支えられてきた託生とギイが、今度は三洲と真行寺の恋を助ける番。

託生が二人のために起こすその行動は確かに友情と呼べるでしょう。

でも忘れてほしくないのは、いついかなるときも、託生とギイのあいだに

在るのは、恋しい相手愛しい相手への揺るぎない “愛情” なのです。

そこのところを、そろそろ真正面から認めてもらえたらうれしいなあと

原作に想い入れのある腐女子としては思うわけですよ、大輔さんw ← 名指しか(;´ω`)




ただ、映画版『虹色の硝子』については、

友情物としての側面が恋愛物としてよりもずっと強い、とも思っています。

託生とギイですら、映画版の世界では “友情” なのかもしれない…とw

ただ彼ら、セックスはするけどね(えーw) …というコトで、そのへんは

今回を前振りとしつつ、またいずれプチコラムにて邪推してみたいです。