そして青空は永遠に晴れたまま。

奇跡の2.5次元役者・浜尾京介の芸能活動復帰をのんびり待機中。

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映画タクミくんプチコラムその8。

“BL脳で読み解く映画『虹色の硝子』” 中編。




とんでもないところで以下続くにしてしまった 前編

必ずお読みになってから、こちらの記事をごらんください。

※あと、中編もやっぱり下世話なネタですのでご注意!!!!




六日目。ハロウィンパーティー当日。

森田がいないと意味が無いとまで言っていたその当人を

誘えていないのにパーティーをやると強引に言い張った昨日のギイ。

「でも…最近、ギイとどうつきあっていいのかわからなくなるときがある」

もう彼がなにを考えているのかわからないの、と、思わず赤池に不安を

吐露してしまう託生は、これまで堪えてきた感情が振り切れる寸前です。


余談ですがこの場面、撮影初日のかなり最初の方で撮ったと思うんですが

初日でタッキーとは初顔合わせだと思えない程に雰囲気が出てますよね。

すごく好きなシーンです。薄暗いトンネルのなかで、浜尾託生の目が

キラキラしてて、不安が垣間見える儚い表情がいい。今、自分がギイに

愛されているのか不安になっていることを赤池に打ち明ける表情がいい。

「でも、全然そんなことなかった」のあと、口をキュッとしてから睫毛を伏せる

一連の仕草が嗜虐心を煽って萌えます。台詞回しはやや単調ですが(;´∀`)

それを補って余りある表情演技!!!! ここのシーンは衣装もイイしねv


託生が遅れてパーティー会場に着いてみればそこに何故か森田がいる。

駆け寄ってきたギイにどうしてと訊けば「俺が誘った。で、一発オッケー」

だったら最初からお前が誘えよ!!!! ヽ(#`д´)ノ 多分皆突っ込んだはずw

もうここから託生の感情爆発への導火線に火がついてジリジリ燃えていく

のが見えるようです。辛そうに顔をしかめて気持ちを露わにしてしまう託生。

「よかった…楽しそうで」というギイの言葉も託生には、わざわざギイが自ら

誘った森田が楽しそうでよかったと聞こえたかもしれません。おそらくギイは

「健志が」楽しそうでよかったという意味で漏らした言葉だと思うんですが。

ここの場面、ギイが視線を遣ったときには健志が、少し遅れて託生が見た

ときには森田が、パンプキンの帽子をかぶって楽しそうにしている様子が

映し出されていますよね。観客のミスリードを誘うには上手いやり方です。

一度作品を観ただけでは気づかない細かい演出部分だと思います。

託生の肩を抱いていたギイはあっさり離れていきますが、このときの託生!!

離れていくギイを呼び止めたいのに言葉は声にならない。いやーここも

イイ演技してますよね浜尾託生!!!! ギイは森田(と健志)の肩を託生にした

のと同じように抱き寄せて楽しそうに笑っています。カメラのシャッターが

下りる寸前まで、どこか傷ついた暗い表情でギイをじっと見つめる託生。

託生の導火線、どんどん短くなっていきますね。もう起爆する寸前ですね。


パーティーが始まっても、ギイが森田を構うたびに託生はギイを目で追い、

そしてそのたびに傷ついていきます。まるで捨てられた子犬が元の飼い主の

姿を垣根の向こうからじっと見つめているようなそんなせつない目をしてる。

この浜尾託生にキュンとこないひとがいるだろうか、いや、いるまい!!(反語w)

オーディオコメンタリーで大ちゃんが言っていたとおり、この場面の浜尾の

表情は本気でたまりませんね!!!! せつない萌えポイントですよ倒れないけどw

ギイへの想いをこんなにも雄弁に伝える浜尾託生の視線や表情がすごい!!

心変わりしたと思っている恋人が、恋敵かもしれない相手に聴かせたいから

一曲弾いてくれ、とかつて自分に贈ってくれたヴァイオリンを差し出す。

……託生はどんな気持ちでしょう。心のなかは醜い感情でささくれ立って、

音を楽しめるような状態ではないのに、なのにヴァイオリンを弾けなんて。

それでも託生が演奏を引き受けたのは、それがギイの願いだから?

それともギイの恋人としての意地でしょうか?このシーン、ヴァイオリンを

奏でながらギイを見つめる託生の視線の迫力がすごいですよね。

せっかくギイのために弾いているのに、ギイは託生の目の前で森田と

見つめ合い微笑み合ったりする。嫉妬の炎を静かに激しく燃やしている

ギラギラしたあの浜尾託生の目力は、いっそ怖いくらいにギイへの想いに

溢れていました。情念っていうのかな。そして次のモノローグが続きます。



(ギイ……彼が好きなの?そんなに彼がいいの?)


もう限界です。託生は弓を引く手を止め、その場から逃げ出します。

少しやりすぎたとやっと気づいたのか、ギイがそのあとを追うんですが、

託生が嫉妬しているのをわかっていたとあとで告白していることから、

どこまでギイがわかってやっていたのか、最初からそのつもりだったのか

これは原作にない映画オリジナルの部分なので理解に困るところです。

いつもは他人の機微に敏いはずのギイですが、殊に託生絡みとなると

感覚が鈍るというか、判断を誤ってしまうことがちょこちょこあります。

この愚かしさも、恋するゆえ、なのかしら。愛は盲目とも言いますしね。


逃げる託生を捕まえるギイ。その手を振り払い託生はぶちまけます。

「もういいんだ!! ギイの気持ちはわかってる」 ここまで堪えてきた感情が

爆発してしまった託生は、ギイが違う、話を聞けと言っても止まりません。


「もうこんな気持ちになるのはたくさんだよ!!」

「もう僕に飽きたならはっきりそう言えばいいじゃないか」

「そんなに森田君が良ければ、はっきりそう言ってつきあえばいいだろ」


この場面、二人とも後ろを向いているので表情が見えないのが惜しい!!!!

見たかったですねー託生がどんな顔でこんなことを言っているのか、

そしてギイがどんな顔で託生のこの言葉を聞いているのかッ!!!! (≧∀≦)

言葉では託生を説得出来ないと判断したギイは、やっぱり実力行使。

託生の言葉を封じるのに、その唇を自分のそれで塞いでしまうワケです。

うーわどこの少女漫画だw なんだこのベッタベタシチュエイションは!!!!

だがそれがいい……(*´Д`)/lァ/lァ そしてこの手段がやっぱり託生には

一番効果的なんですよね。思えばひさびさの恋人同士らしい触れ合い。

キスするのだって、あの一日目の公然ちゅー以来だろうし。5日ぶり?w

触れ合うことで、ギイの気持ちは自分にあるのだと実感出来たのでしょう。

託生を黙らせるのに成功したギイは、「聞いてくれるか?俺の話」と言って

ようやくこのパーティーに込められたある意図を託生に教えます。

余談ですが唇が離れたあとの浜尾の横顔が可愛すぎて悶える(≧∀≦)

森田と二人で話す健志の姿を見て、やっと託生は自分が誤解していたと

気づくワケですが、いくら健志の秘密を守るためとはいえ、ギイも託生に

もう少しちゃんと話しておいてやれよと毎回思います。極力託生になにも

背負わさないように己が抱え込むのがギイの王子様気質なんでしょうか。

このあたり『美貌のディテイル』での出来事にも繋がっていく気がします。



七日目。健志が退学する日。別れの挨拶を終え健志を見送ったあと

様子のおかしいギイに託生は、「どういうことなの?鈴木君は…」と尋ね、

遂にギイの口から健志の退学の真実が語られる場面です。


『虹色の硝子』という作品は、数あるタクミくんシリーズのなかで、

ギイの気持ちのベクトルが託生以外の人間に対して強く向けられている

唯一の作品だと私は思います。避けられない “死” を目前にした友人

健志のために、なにかしてやりたいと思うギイの健志への気持ちは

瞬間的に誰よりも大事な恋人である託生への気持ちを上回っていたと。

だからこそ、託生とギイのあいだに想いのすれ違いが生じてしまった。

原作と映画とではすれ違う理由がまったく違うんですが、根本的には

どちらも、「俺はあいつを死なせたくない…」 ギイの言葉でわかるように

自分のすぐそばで生きている(そしてこれからも一緒に生きていくんだと

信じているであろう)託生よりも、永遠の別れが刻一刻と迫っている健志を

ギイが優先させたことに起因していると思うんですよね。意識が健志に

いっていたから、託生の心の波風にギイはいつも以上に気づかなかった。

それはギイの、恋人としての託生への甘えでもあったかと思います。


健志が学校を去って、ようやく託生にすべてを打ち明けるに至ったギイは

はじめて託生の前で自分の弱さを晒け出し涙に震える声で言います。

「……託生…っ……あいつはいいヤツなんだ」 そんなギイの姿を見て

託生はなにも言わずに後ろからギュッとギイを抱き締めるんですね。

このときの託生の胸中を占めていた感情は、健志の真実への悲しみよりも

多分、ギイへの慈しみや愛おしさの方が上だったんじゃないかと思います。

健志を失うことへのギイの悲しみをともに受け止めてあげたいという感情。

弱い姿をはじめて自分の前に晒してくれたことへの喜びもあったでしょう。

これまでギイが何度も託生を愛することで慰め癒してくれたように、

今度は託生が傷ついたギイを慰めて癒してあげたいと思って抱き締めた。

ギイの背中に頬を寄せて肩越しに何度か瞬いてそっと睫毛を伏せる表情、

電話に呼び出されて去っていくギイを見つめる浜尾託生のなんともいえない

表情が、せつないけれどものすごく愛おしげに見えるのは錯覚でしょうかw


ギイのいない部屋に一人戻ってきて、託生はギイのベッドへ横たわります。

この託生の行動、オーディオコメンタリーでは「女の子か!」と茶化されて

いましたが、さっき抱き締めたギイの余韻がまだ託生のなかに残っていて、

言い方はゲスいんですが、身体が疼いてしまったのではないかと(;´∀`)

ものすごくギイのことが愛おしくなってると思うんですよねこのときの託生。

この時点で随分御無沙汰ですしねえ……二週間ぐらいは経ってるはずw

あー託生もギイが欲しいんだろうなあ、なんて思いながら見てしまいました。

……こんなの書いて大丈夫かな?下世話視点炸裂しすぎてすみません!!!!




そして迎える二日後の九日目、ですが。

なんだか当初の目的から若干内容が踏み外してきたような気もするので

またしても途中で申し訳ないのですが、ここで一度記事をアップしますね。

うん、ゴセイジャーに備えてそろそろ寝ないと……(;´ω`)


次で本当にラストです。よろしければおつきあいくださいませ!!