そして青空は永遠に晴れたまま。

奇跡の2.5次元役者・浜尾京介の芸能活動復帰をのんびり待機中。

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映画タクミくんプチコラムその5。

“好きだからこそ、納得出来ない3つのダウト”




ひさびさのプチコラムは、『美貌のディテイル』本編中で

ちょっと見過ごせないダウトな部分にツッコミを入れちゃいます。


私はこの作品が大好きです。今持ちうる全ての情熱を傾ける程に。

大好きだからこそ、少しのダウトな部分にも納得出来ないんです。

あそこまで原作を読み込んでいるはずの制作陣なのにっ!! という

歯痒い思いでもって指摘しておきたい3つのダウトはコレだ!!!!




(1) 季節のダウト

これはいろんな方の感想でも突っ込まれまくってたんですが、

新学期のお話なのに季節がどうみても “秋” です……ね(;´∀`)

新緑の季節のわりには周囲の木の葉が若干黄色く色づいてるしw

原作では一応桜並木道を歩いてくる描写があったりもするんですが

でもね、それは仕方ないと思う。実際に映画の撮影が行われたのは

去年の10月上旬で、スケジュール的にそこしか駄目だったんだろうから

桜が無いのも木の葉が黄色いのもなんとか、ね。苦しいけど(;´ω`)

でも、一面に咲くコスモスはアウトでしょ。コスモスは秋の桜と書くのよ?

桜は桜でも、コスモスはどう好意的に考えても秋の花ですうううっっ(>_<)

追記

コメントで教えていただいたのですが、春咲きコスモスという

春に咲くコスモスがあるそうですね!! 知らなかったあああ〜Σ(゚Д゚;

まさかそれを知っていて敢えてのコスモス?……うーん、でも

やっぱり一般的にはコスモス=秋、のイメージですよねえ。

本編で託生が最初のギイとの邂逅での異変に戸惑い一人想い沈む

シーンがちょうどコスモスが群生している場所での撮影なんですが、

なんでわざわざあそこで撮影したの?他にいい場所が無かったの?

なんであんなにババーンとコスモスが映るように撮っちゃったの?

あのロケ地は 旧学習院初等科正堂 近くのコスモス畑だと思います。

別にコスモス咲いてなくても、他の場所でもよかったよねあのシーン。

季節という大きな嘘をつくのに、花という小さなリアルが映り込むことで

いや、むしろ何故か制作側が進んでそれを画面に映り込ませたことで、

嘘に綻びが生じて突っ込まれる隙をみせるのは正直勿体ないです。



(2) 寮の部屋配置のダウト

今回の作品は寮の部屋でのシーンがとても多いです。

寮のシーンの撮影には全6日間のうちの半分、3日もかけています。

パンフレットにも寮のロケ地選びには苦労したと書かれていました。

そこにはタクミくんシリーズのファンブック『15th Premium Album』を

参考にしたとも、制作秘話の一つとして掲載されているんです。

この『15th Premium Album』には祠堂学院寮の部屋MAPが

図解されていて、これを見れば部屋配置がわかるというシロモノ。

つまり制作陣は原作の部屋配置を頭に入れていたということです。


では、実際作品のなかでの部屋配置はどうであったのか?




 3F |***||300|  |***||***| |・・・

 2F |***||200|  |269||270| |・・・


  300:3階階段長ギイの部屋

  200:2階階段長野沢の部屋

  (269:簑巌&反町の部屋)

  270:託生と三洲の部屋



これが本編中で確認出来た配置です。

ちなみに原作準拠にするならば、




 3F |300||367|  |365||363| |・・・

 2F |270||268|  |266||264| |・・・



こうなるべきなんですよね。

託生(と三洲)の部屋とギイの部屋が上下になるっていうのは

結構大事なポイントなのですが、敢えてその原作設定を無視して

この不自然な部屋配置にしているのは何故なのか?

実際の撮影ではロケ場所の2階部分しか使ってないと思うんです。

場面によって部屋番号変えて2階にしたり3階にしたり4階にしたり。


で。なんでロケ場所の一番左端の部屋を使わなかったか。これは

おそらく撮影カメラの設置上の問題かなと思うんで仕方ないとしても

300番と270番が同じ位置で無いのは? もしかしたら部屋の内部の

セッティングにかかる時間を省くためかなあ……とか思ったり。

300番も270番もどちらも部屋の中でやりとりする場面があります。

いちいち場面のたびに家具の位置動かして小物全部替えて、って

してたら、ただでさえ限られた撮影期間内に撮り終えられないと

そう判断して、最小限の入れ替えで撮影が進行出来るように

部屋内部のセットを2部屋分用意していたのかもしれません。

300番を撮っているあいだに270番の内装を305番仕様にしてたり?


ただ、作品内で出てくる部屋の形が全部あの角が凹んだ変形タイプ

なので、もしかしたら一室だけセットして使い回してる、かも?

だったらなんで300番と270番を同じ位置にしないのかって疑問が

浮かんでくるワケでして、そのへんのダウトな部分がとても気になる。


【修正追記】

コメントでご指摘いただいたことと、メイキングを何度も見直していて

気がついた点から寮部屋の場所についての考察を修正いたします。

おそらく寮部屋室内の撮影はロケ場所アイリッシュアラン乗馬学校の

地下1階にある、あの角が凹んだ変形タイプの部屋ですべて行われたと

推測するに至りました。やはりあの特殊な形の部屋がいくつもあるとは

思えないし、『秘密のディテイル』に収録されている二日目で大ちゃんが

浜尾を起こすと言って階段を上っていきますよね?あの階段周辺は

非常に薄暗く窓が無かった。役者陣の控え室に使っていた部屋から

食事に出かける場面では、階段に窓が見えていましたよね。これらを

総合すると、控え室&寮の廊下は2階、部屋内部は地下1階、では?


またあの部屋ですが、窓として使用していた部分は実は窓ではなくて、

硝子張りのドアがあって向こう側への出入りが可能となっています。

『美貌の瞬間』には、巨大蜘蛛と遭遇した場面でカーテンを取り付けて

窓を作っている美術さんの様子や、浜尾が「裏方さんのおかげで…」と

語っている場面ではドアもちらっと映っていますよね。


そういうワケで、部屋内部の撮影についてはほぼ結論が出ましたが、

それでも部屋位置が不自然なことには違いありません。

上下で揃えることに意味があり、番号を変えるだけの作業のなにが

不都合だったのか?うーん、ここだけはやっぱりわからないなあ。



(3) 2階のゼロ番のダウト

これは(2)の部屋配置のダウトとも密接に関わっているんですが、

2階のゼロ番、200番は2階階段長・野沢の個室です。

本編では託生と三洲の部屋270番の2つ左隣の部屋のドアにしっかり

「200」という数字が書かれていて、序盤で野沢がそこから出てきます。

そして託生を捕まえて1階ロビーでギイの異変を尋ねるというシーンに

なります。ところが物語中盤、託生が嫌悪症を再発させた場面では、

「野沢の部屋でギイ対策の話し合い」をすると言っていた利久と三洲が、

野沢の部屋だった200番の前を何故か通過していってしまうんですよね。


これに関しては撮影の順番のせいかなとアタリをつけているんです。

メイキング『秘密のディテイル』の浜尾のクランクインと思われるところ

(「託生役の浜尾京介君です」と紹介されて挨拶してるところです)

ここで、チラッと映る部屋のドアに「268」って数字が見えるんですよ。

置物の位置から推測すると、そこは本編では「200」番だった部屋。

つまり本編で野沢が出てきた部屋は、撮影初日は268番だったと!!

嫌悪症再発シーンは、寮での撮影に馬場君と紅葉君が参加していた

初日か2日目に撮られたはずで、多分この場面を撮ったときには

野沢の200番は違う場所に設定されていたんじゃないでしょうか?


ちなみに野沢役の齋藤さんは撮影3日目だけの参加でした。

野沢のシーンはすべて3日目に撮られたということになりますね。

撮影初日(或いは2日目)にはちゃんと268番だったと思われるのに、

何故最終的にあの部屋を200番に変更して撮影してしまったのか?

そのせいで本編中に思わず頭を捻るダウトが生じてしまったワケです。

別にあのシーン、野沢は部屋から出てくる必要は無いと思うんです。

たとえば2階廊下で託生の後ろから呼び止めてもいいと思うんです。

これはどうしても納得出来ない。268番が撮影初日には存在してた

ことがわかっているだけに、なんであとから替えちゃったの?って。

原作の配置を知っていてそれを曲げてまで何故?って思っちゃいます。

あとで時系列通りに繋げて編集し直したら前後がおかしくなっちゃうって

当然制作側はわかってると思うんですが……うーんここもわからない。



部分部分の細かいツッコミはまだあるんですが、以上3点。

原作のディープな読者視点でのこだわりと、映画『美貌のディテイル』を

深く愛するが故の「あともう少しで完璧なのにっ!!!!」というツッコミでした。


いや、でも、ホントなんでなんだろ?この3点。教えて監督〜!! w